【公務員が逮捕されたら】懲戒免職処分や失職を回避するための弁護活動
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東京都墨田区、錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。 |
公務員が刑事事件を起こしてしまった場合に関して解説していきます。
1.公務員特有の犯罪
公務員とは、「国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員」とされています(刑法7条1項)
公務員という身分があって成立する犯罪には以下のようなものがあります。
・収賄罪(刑法197条~197条の4)
・公務員職権濫用罪(刑法193条)
・虚偽公文書作成罪(刑法156条)
・秘密漏えい(国家公務員法109条12号、地方公務員法60条2号)
2.公務員の逮捕、勾留、報道について
公務員であるから逮捕、勾留されやすいということはありません。
勾留が認められてしまうと、最大20日間の身体拘束が続くことになります。
こうなってしまうと、職場へ隠し続けることは困難となりますので、逮捕後は早急に弁護人を付けて、身柄解放へ向けた弁護活動を行ってもらうのがよろしいでしょう。
公務員の逮捕ということですと、社会的関心の高さ等からマスコミにより報道されてしまう可能性は高くなります。逮捕を回避するために、自首するという選択肢も検討すべきでしょう。
3.休職、失職について
⑴ 起訴休職
起訴休職とは、公務員が犯罪を行い起訴されたときに、その公務員を休職させる事が出来る制度のことです。休職期間は、起訴されてから判決が確定するまでです。
⑵ 失職
公務員の方が犯罪をしてしまった場合に意識すべきことは、当然失職についてです。
懲役刑・禁固刑の言渡しを受けると、執行猶予がついていても、法律が定める公務員の欠格条項にあたり、当然に失職することになります。
逆にいえば、罰金刑であれば、欠格条項にあたらないため当然失職とはなりません。
したがって、不起訴、最悪でも罰金刑となるような弁護活動を早急に行うことが重要であるということです。罰金刑のない犯罪であれば、示談等により不起訴を目指すほかありません。
⑶ 失職の特例
なお、地方公務員については、懲役刑、禁固刑の言渡しがなされても当然失職とならない特例が定められているところがあります。執行猶予であること、過失犯であることが条件となっていることが多いです。
公務中の事故や交通事故、通勤途上の事故を対象としている傾向にあります。
4.失職とならなくても、懲戒処分が待っている
不起訴になったり罰金となり、自動失職を免れることになったとしても、懲戒処分の対象となります。
懲戒処分には処分が軽い順に、戒告、減給、停職、免職があります。
最悪は、免職となり、結果的に仕事を失う可能性があります。
犯罪ごとにどのような懲戒処分となるかは概ね決まっています。公金や公物の横領や窃盗や職務に関連した犯罪ですと免職の可能性が高くなります。
犯罪の悪質性や被害の程度、被害者との示談成立の有無、自ら職場に報告したのか否か、過去に懲戒処分を受けたことあるかどうか、といったことが処分の際に考慮されることになります。
弁護士に懲戒処分に関する意見書を作成してもらい処分決定の前に提出しておくことも重要となるでしょう。
5.まとめ
以上のとおり、公務員の方が犯罪をしてしまった場合には、自動失職ということを意識した弁護活動が重要となってきます。
早急に弁護活動を行えば、それだけ奏功する可能性も高くなります。
当事務所では、公務員の刑事事件を積極的に取り扱っています。
刑事弁護の初回相談料は無料です。
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