【傷害罪】逮捕、勾留されるのか?懲役回避、不起訴に向けた示談の相場
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東京都墨田区、錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。 |
刑事事件の中で傷害事件について解説していきます。
目次
1.傷害罪とはどのような犯罪か
⑴ どのような場合に傷害罪が成立するのか
傷害罪とは、刑法204条で定められていう刑です。
傷害というのは、人の生理的機能に障害を生じさせることをいいます。
主には、暴行、すなわち人の身体に対して不法な有形力を行使する暴行を加えた結果、その相手が傷害した場合に傷害罪が成立するケースが多いです。
しかし、有形力だけではなく、大音量を流すですとか無言電話を繰り返すなど目に見えない無形の力によっても、人の生理機能に障害が生じれば傷害罪が成立します。
相手に傷害があるか否かは,一般的に医師の診断書によって判断されます。けがの程度が重くなくても、診断書が出る程度の怪我であれば、全て傷害罪となってしまいます。
なお、傷害にとどまらず死に至った場合には、傷害致死罪(刑法205条)が成立することになります。
故意ではなく、過失(不注意)で相手を傷害させた場合には、傷害罪は成立せず、過失傷害罪が成立します。
ただし、傷害罪の成立のためには暴行に対する故意があればいいので、胸ぐらを掴むだけで怪我させるつもりはなかったという場合であっても、傷害罪となります。
⑵ 傷害罪罪はどのくらいの刑の犯罪か
法定刑は、15年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金,となっています。暴行罪と比べるとかなり重い罪です。
罰金刑がありますので、初犯であれば、示談が成立しなくても罰金刑になる可能性はあります。
ただし、罰金刑といえども前科となりますので、注意が必要です。
傷害致死罪となりますと、法定刑は、3年以上の有期懲役です。
過失傷害罪となりますと、法定刑は、30万円以下の罰金または科料となります。
2.傷害罪による逮捕、勾留
⑴ 傷害罪での逮捕状況
統計によりますと、傷害罪を犯すと、半数以上は逮捕されることになります。行為態様が悪質でなく、怪我の程度も軽微といえるのであれば逮捕まではされません。ただし、配偶者や同棲相手、交際相手に対する傷害ですと、逮捕され勾留まで認められてしまうケースが多いです。
⑵ 傷害罪による勾留
逮捕後、勾留決定がでると10日ないし20日間の身柄拘束が続くことになります。逮捕後からすぐに弁護人がついていれば、検察及び裁判所に対して勾留する必要性がないことを資料をもとに説明をし、勾留されないように働きかけることができます。勾留請求されても、勾留請求の却下を求めていきます。
統計によりますと、傷害罪で勾留される割合は、逮捕された人の80%以上です。逮捕されてしますと、かなりのケースで勾留が認められているということになります。
ただし、犯罪事実を認めている自白事件であれば、弁護士が検察や裁判所に意見書を提出することで勾留を回避できる可能性があります。また、勾留中に示談が成立することで勾留期間途中で釈放されることもあります。
したがって、早期に身柄解放を求めるのであれば、早急に弁護士を付けて活動してもらう必要があります。
3.示談への流れ、示談金
⑴ 示談への流れ
被害者の方の連絡先は、弁護人がついていなければ、検察や警察から教えてもらえません。したがって、傷害事件で示談を希望されるのであれば、弁護士に依頼しなければならないことがほとんどであると言えます。また、知り合いに対する傷害事件であっても、被害者は加害者との直接のやりとりを拒む傾向にありますので、やはり弁護士を通じてではないと示談が難しいといえます。
被害者の方への謝罪の気持ちを示すためにも、できる限り早期に弁護人に示談交渉を依頼されるのが得策です。
⑵ 示談金の相場
行為態様や傷害の程度により金額は大きく異なってきます。傷害の慰謝料以外にも、治療費や場合によっては休業損害も生じる可能性もありますので、それらを含めての示談金ということなります。交通事故については傷害の慰謝料に関しての算定基準があり(「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」),交通事故以外の傷害事例についてもこの基準が参考にされています。
ただし、あまりにも高額でないと示談に応じてもらえないというのであれば、こちらが誠意をもって適切な金額を申し出たことを記録に残し、検察官や裁判所に報告し、考慮してもらうことになります。
⑶ 示談が成立すると
前科がなければ、示談の成立により不起訴処分となる可能性が高まります。仮に起訴されても執行猶予が付き実刑を回避できるケースが大多数です。
また、示談がまとまらなくても、行為態様や怪我の程度、反省の度合いにもよりますが、略式罰金で終わることも多いです。懲役刑は回避されます。
4.まとめ
以上のとおり、傷害行為をして刑を軽くしたり、前科を付けないために示談を成立させるためには、早急に弁護士に依頼することが不可欠です。
当事務所では、刑事事件を積極的に取り扱っています。初回相談料は無料です。
電話による相談も可能で、遠方にお住まいの方からの依頼も承っております。
相談は事前予約制です。問い合わせフォームからお問い合わせいただき、予約をお取りください。
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