【コインパーキングで強行突破】料金の踏み倒しは威力業務妨害罪!逮捕の可能性
東京都墨田区、錦糸町駅近くにある鈴木淳也総合法律事務所です。 |
街中や住宅街によくあるコインパーキング。
料金は出庫する前に支払うことになっていることが多いと思いますが、料金を支払うことなく強行突破して料金を踏み倒し逮捕されたというニュースをたびたび目にします。
コインパーキングの料金未払いでどのような犯罪が成立し、逮捕されるのか、不起訴となる可能性があるのかについて解説します。
目次
不正出庫はどのような犯罪か
料金の踏み倒し
ロック板が上がらないように2台分の駐車スペースの間に駐車するですとか、上がったロック板をアクセルを踏み込んで強行突破するといった方法で駐車料金を踏み倒すケースがあります。
コインパーキングに駐車して料金を踏み倒して不正出庫した場合、威力業務妨害罪が成立します。
第233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(威力業務妨害)
第234条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
車を不正に駐車するという「威力」を用いて、その間その駐車スペースを提供するという業務を妨害したということです。
罰則
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
罰金刑がありますので、初犯であれば略式罰金で済む可能性もありますが、罰金刑でも前科となってしまいます。
ロック板等の損壊
ロック板が上がっている状態で無理やり出庫し、機材を破壊した場合には、器物損壊罪も成立します。
器物損壊罪の詳細は、こちら
罰則
3年以下の懲役または30万円以下の罰金若しくは科料
不正出庫で逮捕される可能性
通常逮捕の可能性
コインパーキングは基本的に無人です。
しかしながら、防犯カメラが多数設置されています。
最近では、ロック板のような機材が駐車スペースに設置されていないコインパーキングがありますが駐車したナンバーはカメラで撮影されています。
このような状況のため、車のナンバーから不正出庫した犯人を特定することは容易に可能です。
したがって、多数回にわたって不正な出庫を繰り返して駐車料金を踏み倒している場合には、後日、令状に基づき逮捕される可能性があります。
逮捕されますと、最大3日間は身柄拘束されることになります。
さらに勾留まで認められてしまいますと、追加で最大20日間の身柄拘束となってしまいます。
不正出庫というのは、料金を支払わずにいわば逃げているわけですので、逃亡のおそれがありと判断されてしまう可能性があります。
自首も検討を
コインパーキングを強行突破し料金を踏み倒したけど、逮捕されないか不安だという方は、
自首なさることをお勧めします。
自首をすることで、逮捕のリスク、実名報道のリスクは大きく軽減します。
弁護士が同行すれば身元引受人にもなれますのでご家族に知られずに済む可能性もあります。
実際に逮捕され報道された事例
料金を支払わずにコインパーキングを利用したとして、警視庁は威力業務妨害の疑いで逮捕し、14日発表した。…麻布署によると、容疑者は昨年11月7日~今年2月16日、東京都港区内の無人のコインパーキング2カ所で37回にわたり、アクセルを踏み込むなどしてロック板を無理やり乗り越えて不正に出庫し、駐車していた間、他の車が止められないようにして営業を妨害した疑いがある(朝日新聞デジタル2020年7月14日の記事から引用)。
コインパーキング料金の踏み倒しで起訴される可能性
令和元年の統計に基づきますと、威力業務妨害罪で起訴される可能性は約43%です。
そして、そのうち、略式起訴されるのは約42%です。
つまり、正式な裁判が開かれることなく簡単な手続で罰金刑に終わるということです。
コインパーキングの不正出庫の場合、被害者の方が存在します。
被害者の方と示談することで、初犯であれば不起訴となる可能性が十分あります。
被害者と示談するには、弁護士を通して行うの望ましいです。
警察や検察も弁護士に対してであれば被害者情報を教えてくれますが、加害者本人に対しては教えてくれません。
示談を希望する場合、速やかに弁護士に依頼をなさってください。
まとめ
・コインパーキングの料金踏み倒しは威力業務妨害罪が成立する
・多数回行っているような場合は、逮捕される可能性もある
・被害者と示談ができれば不起訴となる可能性が高い
・被害者と示談するには弁護士を通じて行うのが良い
コインパーキングの料金未払いは当事務所にご相談を
威力業務妨害罪は罰金刑があります。
示談が成立すれば不起訴処分となる可能性が高く、前科を付けずにすみます。
早急に弁護士に依頼することが重要です。
当事務所では、刑事弁護に関しまして、積極的に取り扱っております。
初回相談料は無料です。
相談は事前予約制です。問い合わせフォームから問い合わせいただき、面談予約をお取りください。
電話による相談も可能で、遠方にお住まいの方からの依頼も承っております。
解決事例
20代 男性 無断駐車を繰り返し、運営者から被害届を提出し刑事処罰を求める旨の通知を受ける→示談成立
依頼者の方は、前払い制のコインパーキングにて、前払いをすることなく駐車を複数回に割って行っていました。当初は注意を受けた後に支払いをすることで許されていたのですが、その後も複数回にわたり無断駐車を繰り返したことで、同コインパーキングの運営者から警察に被害届を出し刑事処罰を求める旨の通知書を受領するに至りました。依頼者の方は、自分で運営会社に連絡したものの、全く話をしてもらえず、当事務所に対応をご依頼されました。
本件は偽計業務妨害罪が成立する事案のため、弁護士は速やかに運営会社側とコンタクトを取り、本人が反省していること、二度と無断駐車をしないことを誓約のうえ、本件について示談を行いました。示談書には刑事処罰を求めないことや、依頼者の車両の写真をパーキングに張り出すなどしないように口外禁止の条項を入れ、依頼者の方が安心できる形で解決に至りました。 |
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