特定財産承継遺言(相続させる遺言)で相続人が相続放棄したらどうなる?

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東京都墨田区、錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。 |
特定財産承継遺言と相続放棄に関してはご相談が多いので以下で解説します。
1 特定財産承継遺言とは

そもそも特定財産承継遺言とは何か。
特定財産承継遺言とは、特定の遺産を相続人の誰に相続させるかを指定する遺言のことをいいます。
「特定承継遺言」という概念は、新相続法(民法1014条2項)で明文化されています。
「相続させる」という形式の遺言について、「分割の指定」と解されています。
この「相続させる遺言」を特定財産承継遺言といいます。
例えば、「長男に自宅を相続させる」、「次男にA社株式を相続させる」といった形です。
相続と同時に、指定された相続人が当該相続財産を取得することになります。
2 相続放棄の効力
相続放棄(民法939条)をすると、初めから相続人でなかったものとみなされるため、被相続人の権利義務を一切承継しません。
したがって、先ほどの例でいいますと、遺言で「自宅を長男に相続させる」と書いてあっても、
長男が相続放棄をしたら、当初から相続人ではなかったことになりますので、長男が自宅を取得することはありません。
遺言の「相続させる」という文言による承継は、相続人であることを前提としているからです。
3.相続放棄がある場合の遺産の扱い

特定財産承継遺言で指定された相続人が相続放棄をした結果、その者は相続人でなくなるので、
遺言で指定された財産(たとえば自宅)は、分割の指定がなかったこととなり、他の相続人が相続することになります。
つまり、放棄した長男の分は最初から存在しなかったものとして再構成され、残った相続人で遺産分割を行うことになります。
4.特定財産承継遺言と相続放棄の流れ
① 遺言書に「相続させる」旨の記載がある
(例:「長男に自宅を相続させる」)
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② 指定された相続人が相続放棄をした
(家庭裁判所に申述 → 受理)
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③ 相続放棄の効果(民法939条)
→ 放棄者は「初めから相続人でなかった」扱い
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④ 「相続させる」遺言は相続人であることが前提
→ 放棄者は相続人でなくなるため、
その指定部分は効力を失う(失効)
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⑤ 放棄者に指定されていた財産(例:自宅)は?
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├─▶ 【A】他にも相続人がいる場合
│ → 残る相続人で遺産分割をやり直す
│ → 放棄者への「特定財産承継遺言」は無効化
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└─▶ 【B】放棄者しか相続人がいない場合
→ 次順位相続人(兄弟姉妹など)に相続権が移る
→ その者たちで遺産分割
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