【債務整理】任意整理とは?メリットと流れをわかりやすく解説
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東京都墨田区、錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。 |
債務整理の中の任意整理とは何かについてわかりやすく説明します。
目次
- 1.任意整理とは?
- 2.任意整理を行うメリット
- ⑴ 弁護士に依頼した後、和解が成立して返済開始月がやってくるまで返済する必要がない
- ⑵ 弁護士に依頼した後、債権者からの取立行為がなくなる
- ⑶ 過去に払い過ぎた利息があれば、大幅に借金が減額される可能性がある
- ⑷ これまで支払っていた利息がかからなくなる
- ⑸ 自分で債務整理する債権者を選んで整理することができるので、親族や知人、会社からの借入分を整理から除外できる
- ⑹ 裁判所を利用しないため、資料収集の手間等がかからない
- ⑺ 自己破産と違い、職業制限、資格制限はない
- 3.任意整理をした場合、しない場合の返済総額の比較(シュミレーション)
- ⑴ 任意整理せずそのまま支払う場合
- ⑵ 弁護士に任意整理を依頼する場合
- 4.任意整理の流れ
- 5. まとめ
- 6.解決例
- 50代 男性 長い間返済を続けているけど負債が一向に減らない。約200万円の負債が全て減額、約630万円の過払金が返還
- 鈴木 淳也弁護士からのコメント
- 女性 毎月の返済が苦しくて任意整理。返済額が月10万円→月5万円
- 鈴木 淳也弁護士からのコメント
1.任意整理とは?
任意整理とは、債務整理の一つの方法で、弁護士が裁判所を利用せず、貸金業者と直接和解交渉し、長期の分割払いで支払う旨合意する手続です。
貸金業者からの借入れは、借入開始時から現在までの間のどこかで利息制限法の定めを超える利息(年15%~年20%を越える)がついていたことが多いので、この部分について減額を求めることになります。
その上で、残った借金を36回ないし60回分割で支払っていく方法です。債権者によっては、80回ないし100回くらいまでの超長期分割に応じてくれる業者もあります。
すなわち、期間としては、3年から5年間が基本で、長いと7,8年間くらいです。
2.任意整理を行うメリット
⑴ 弁護士に依頼した後、和解が成立して返済開始月がやってくるまで返済する必要がない
この間を利用して、弁護士の着手金を分割で支払ったり、貯蓄をして生活を立て直すこと可能となります。
返済日が近づくとお金のやりくりで頭の中がいっぱいだった方は、そのような負担から解放されます。
精神的に楽になることは、任意整理を行う大きなメリットといえます。
⑵ 弁護士に依頼した後、債権者からの取立行為がなくなる
返済日に支払えないと、債権者から連絡が来て、そのたびに精神的負担を感じてらっしゃった方が多いと思いますが、
弁護士に依頼した後は、直接債権者から連絡がくることはありません。
取立の電話がなくなることは、任意整理を行う大きなメリットといえます。
⑶ 過去に払い過ぎた利息があれば、大幅に借金が減額される可能性がある
貸金業者は、利息制限法により、借入額が10万円以上100万円未満で18%、100万円以上で15%までしか利息を取ることは出来ないことになっています。
過去に借金が100万円まで借入が膨らんだ方は、その後返済して借金残高が100万を下回っていても、15%が利息の上限のままです。
しかし、過去には、この上限を超す利息を設定していた貸金業者が多くありました。
現在の利息が法律上の上限内に設定している債権者は多いので現在の利息だけ見てもわかりません。
払いすぎた利息があれば、現在の負債が減額されます。
長い期間、借入と返済を繰り返してこられた方は、払い過ぎた利息が多いために任意整理により借金が大幅に減額となる可能性があります。
弁護士に任意整理を依頼したところ、借金が0円に減額され、過払い金としてお金が逆に戻ってきたという方もいらっしゃいます。借金が減額されるというのは、任意整理の大きなメリットといえます。
⑷ これまで支払っていた利息がかからなくなる
任意整理する方のこれまでの返済実績にもよるのですが、大多数のケースでは、これまで支払っていた利息が今後はかからない形で和解することが可能です。
利息の支払を免れることで、完済するまでの総支払額は大きく減額されることになります。
したがって、将来の利息がかからなくなることは、任意整理を行う大きなメリットです。
⑸ 自分で債務整理する債権者を選んで整理することができるので、親族や知人、会社からの借入分を整理から除外できる
自己破産や個人再生手続の場合には、全ての債権者に支払いを止めますので、親族、知人、会社から借入がある場合、それらについても支払いは出来ません。しかし、任意整理の場合は、特定の債権者とだけ和解しますので、その他の債権者についてはこれまでどおりの返済となります。
※あくまで弁護士がそれで構わないと判断した場合の話であり、必ずしも希望どおりになるわけではありません。
⑹ 裁判所を利用しないため、資料収集の手間等がかからない
⑺ 自己破産と違い、職業制限、資格制限はない
3.任意整理をした場合、しない場合の返済総額の比較(シュミレーション)
設例:A社からの借金の額が100万円で利息が年15%、毎月2万円ずつ返済をしていく。
⑴ 任意整理せずそのまま支払う場合
毎月2万円を支払っても大部分が利息に回ってしまいます。
例えば、1回目の返済で2万円を支払っても、利息に1万2499円まわり、元金は7501円しか減りません。
返済で元金が減った分2回目以降、利息の金額自体は減っていくのですが、設例の場合は最初の2年間は1万円以上、つまり半分以上が利息に回ってしまいます。
完済するのは、6年7か月後で、総支払額は157万9050円。利息として57万9050円支払うことになります。
⑵ 弁護士に任意整理を依頼する場合
利息がかかりませんので、毎月2万円ずつの返済ですと、50回分割となります。支払った金額は全て元金に充てられ、4年2か月で完済できます。もちろん、総支払額は100万円です。
任意整理をすれば、完済するまでの期間が短くなりますし、総支払額も少なくなります。さらに、過去に払い過ぎた利息があれば、そもそも100万円を支払う必要もありません。
4.任意整理の流れ
① 弁護士が依頼を受けて、各債権者に受任通知を送り、支払を止める
↓
② 弁護士が債権者(金融機関など)から過去の取引履歴を取り寄せる
↓
③ 弁護士が過去の取引履歴を適法な利息に基づき引直し計算を行い 最終的な債務金額を算出する
↓
④ 弁護士が債権者(金融機関など)と返済案を基に返済について交渉する
↓
⑤ 債権者(金融機関など)との交渉がまとまり、和解書を作成
↓
⑥ 和解内容にしたがって、依頼者は返済を開始する
※当事務所では、①から④の間に着手金を分割で弁護士に支払うシステムですので、債権者への返済と弁護士費用の支払いが重なることがありません。
以上のような流れで進んでいきます。
概ね、弁護士に依頼をしてから、実際に債権者に返済を開始するまでの期間は半年間くらいとお考え下さい。
5. まとめ
借金が膨らみ毎月の支払いが苦しくなったらなるべく早い段階で弁護士にご相談ください。早く任意整理を行えば、生活を早く立て直すことが出来ます。
当事務所では、借金・債務整理に関して、初回は無料相談を承っています。
ご相談は事前予約制です。問い合わせフォームからお問い合わせいただき、面談の予約をお取りください。
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6.解決例
50代 男性 長い間返済を続けているけど負債が一向に減らない。約200万円の負債が全て減額、約630万円の過払金が返還
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10年数年以上前に借りてから長い期間ずっと返済を続けているが一向に負債が減らないので何とかして欲しいということで相談にいらっしゃいました。残金は200万を超えており、毎月3万円程返済をしていましたが、ほとんどが利息の支払いにまわり、元金に充てられていたのは数百円という状況でした。
弁護士が依頼を受けた後、取引履歴を取り寄せたところ、20年以上前から借入をしており、直近まで法定利息を超える利息を支払っていたことが分かりました。弁護士が引き直し計算をしたところ、平成22年の時点で過払い金が発生していることが判明しました。過払い金は利息も含めると600万円を超えておりました。 貸金業者は当初は低額の過払い金しか返還できないと主張しておりましたが、こちらが裁判を起こした結果、和解日までの利息を入れたほぼ満額で和解することが出来、解決に至りました。
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鈴木 淳也弁護士からのコメント
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この依頼者の方は、法定利息が15%のところ、当初は27%ほど、直近でも18%の利息がとられており、返済のほとんどが利息に回っている方でした。弁護士に依頼したことで、毎月の返済がストップ、和解により200万円を超す負債が全て減額され、逆にお金が630万円も戻ってくるという形で解決出来ました。長い期間で支払いを続けているけど負債が全然減らないという方は早急に弁護士にご相談ください。この依頼者の方は、まさにそのような方でした。 |
女性 毎月の返済が苦しくて任意整理。返済額が月10万円→月5万円
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10年程前からクレジットカードや消費者金融のキャッシングで借金で膨らんでいき、5社で300万円程となった。毎月の返済額が約10万円となっており、返済は何とか出来ていたけどクレジットカードの利用に頼っており負債がなかなか減らず、いつまで返済が続くのか危機感を感じて相談に来られた。
取引がここ10年程ということなので、払いすぎた利息がさほどないため負債額自体は減らない状況であったが、債権者と利息がかからない形での分割払いの和解をすれば、毎月の給与で十分に返済ができる状況であった。そこで、任意整理を選択し、債権者5社と和解をして、毎月の返済額が約半分に減額された。弁護士費用は、合計16万5千円であったが、債権者への返済を止めている間に、毎月約4万円ずつの4回分割で無理なく支払った。
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鈴木 淳也弁護士からのコメント
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この依頼者の方は、一見毎月の返済が出来ているようでしたが、その分借入やカード決済をしていたこともあり負債がなかなか減らない状況でした。今回任意整理をしたことで、5年間で確実に全ての負債が無くなる筋道を立てることが出来ました。毎月の返済額は無理のない金額に収まり、返済総額も、今後の利息がかからなくなった分、今まで通り返済していくよりも少ない金額で済みます。返済が苦しい、なかなか負債が減らないと思われている方は弁護士へ債務整理の依頼を検討しましょう。 |