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錦糸町の弁護士へ法律相談 | 鈴木淳也総合法律事務所 - 【借金が時効で消滅!?】債務の承認・中断による失敗に注意

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【借金が時効で消滅!?】債務の承認・中断による失敗に注意

カテゴリ: 借金・債務整理 公開日:2020年07月01日(水)

慰謝料被請求

 

 

画像1 東京都墨田区、錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。

 

 

『10年以上支払いをしていなかった消費者金融や全然見に覚えない名前の債権回収会社から高額な遅延損害金がついた請求書が届いた』といった相談を受けることがよくあります。

 

それらは、消滅時効という制度により、支払いをする必要がないものかもしれません。

 

そこで、消滅時効について解説します。

 

1.消滅時効とは

 

消滅時効とは、一定期間の経過により、債権者が権利行使できなくなることです。

借金に関していえば、一定期間、支払いを止めていた場合、消滅時効により、債権者が債務者に借金の支払を請求出来なくなります。

 

2.消滅時効の期間

それでは、一定期間というのが、いつからどれくらいの期間なのか。

 

⑴ 令和2年4月1日以降の借り入れ

令和2年4月1日施行された改正民法を前提としますと

 

・主観的起算点:債権者が権利を行使することができることを知った時点から5年間

 

・客観的起算点:権利を行使することができる状態となった時点から10年間となっています。

 

 

いずれかの早い方となります。

 

基本的に、貸主は、貸した金銭の返還時期を認識しているので、権利を行使できる時から5年間というケースが多いでしょう

 

ただ、この規定は、令和2年4月1日以降の契約に適用されます。

 

⑵ 令和2年3月31日以前の借り入れの場合

現時点で借金に関する消滅時効の問題となるのは、こちらのケースです。

 

〇銀行、消費者金融、クレジットカード会社等の会社が債権者の場合

返済期限日から5年間

 

〇銀行と似ている信用金庫からの借り入れの場合

→株式会社ではありませんので、銀行と異なる取り扱いになります

個人間での貸し借りの場合と同様に10年

 

 

3.時効の中断事由

5年または10年間、支払いをしていなくても消滅時効が成立たない場合があります。それが、時効の中断といいます。

 

時効期間が満了する前の中断事由は、主に3つ。

①請求、②差押・仮差押えまたは仮処分、③承認

 

①請求というのは、基本的には裁判を用いての請求となります。

裁判で和解や請求を認める判決が確定すると、消滅時効の期間がそこから10年となります。

 

例:AはB社から借入をしていたが、2012年3月を最後に返済をしてこなかった。そうしたところ、B社が2014年8月にAに対する裁判を起こした。Aは自宅に裁判所から封筒が届いていたが無視していた。2014年12月に判決が確定した。

この場合、2020年6月時点では消滅時効は完成していません。

 

③承認というのは、債務者が、時効期間が満了するまでの間に、債権の存在を認めることです。

 

具体例

・支払い猶予の要請

・債務の一部弁済

・利息の支払

 

 

※消滅時効完成後の債務承認

前述の事項中断事由の承認というのは、時効期間が満了する前の話です。

債務者が消滅時効が完成していることを知っていたか否かにかかわらず、時効完成後に債務承認をした場合、後述する時効の援用を認めないというのが判例となっています。

 

ですから、時効期間の満了前か後かにかかわらず、承認をしてしまうと基本的には消滅時効の主張が困難となるとお考え下さい。

 

4.どうすれば借金がなくなるのか(時効の援用)

消滅時効が完成しても、時効の援用をしなければ、法律上は借金は残ったままとなります。

 

援用というのは、時効の効果を発生させる意思表示のことです。

通常は、内容証明郵便にて行うことなります。

 

時効の援用をして、初めて債権者の権利、要は借金が法律上消滅します。そのまま放置していればいいというわけではないということです。

 

これは非常に重要です。

 

例えば、消滅時効が完成した後に債権者から裁判を起こされた場合、裁判の中で消滅時効を援用する旨の主張をしなければ、債権者の請求が認められてしまうのです。

5年以上支払いをしていないから裁判を放置しても大丈夫であろう、というのは危険ということです。

 

逆にいいますと、いつ裁判を起こされるか分かりませんので、債権者から請求や督促が来た段階で弁護士に依頼して消滅時効の援用をしておくべきでしょう。

 

5.よくある失敗例

もう何年も支払いをしていない消費者金融から請求書が届いた。遅延損害金が高額となっていて、支払わないと法的措置をとる、支払い方法は相談に応じると書かれていた。

 

①あわてて、消費者金融に電話したところ、数千円でもいいのでとりあえず支払ってほしいと言われて、支払ってしまった。

 

②あわてて、消費者金融に電話したところ、支払いの意思はあるのかと聞かれて、あると答えてしまった。

 

①、②の行為は、前述した時効完成後の債務の承認となり、時効の援用が出来なくなってしまいます。

 

債権者としては、それを狙って少しでも払ってほしいという話を持ち掛けてくるのです。

 

ですから、このような請求書や通知が届いたら、ご自身で連絡をとるのではなく、早急に弁護士に対応を依頼すべきです。

 

6.まとめ

以上のとおり、長い間支払いを止めていた方に関しては、消滅時効という制度により、支払いを免れることが出来るかもしれません。

 

ただし、時効の援用が不可欠です。

 

弁護士に対応を依頼されることをお勧めします。

 

当事務所では、借金に関して初回相談は無料で対応しております。

弁護士費用の分割払いにも対応しています。

 

ご相談は事前予約制です。問い合わせフォームからお問い合わせいただき、面談の予約をお取りください。

 

当事務所の料金表

 

 

7.解決例

 

50代 男性  身に覚えのない会社から約300万円の支払いを求める催告書が届いた

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身に覚えのない会社から突如300万円の支払いを求める催告書が届きました。書面を確認すると遅延損害金として200万円以上の金額が記載されていました。当初、依頼人は振込め詐欺を疑いましたが、支払わないと「法的措置をとる」という書かれていたため当事務所に相談されました。

 

弁護士が確認したところ請求元は実在する債権回収会社でした。本人の記憶では少なくとも5年以上はどの業者にも返済はしていないとのことでした。

弁護士は依頼を受け、債権調査した結果、最終支払日が15年以上前であることが発覚しました。そこで、時効援用通知を債権者に送付しました。その後、債権者から時効で処理したとの報告を受け、無事解決に至りました。

 

鈴木 淳也弁護士からのコメント

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長らく返済を滞っていると債権が譲渡されることが多々あります。通常は債権譲渡通知というのが必ず届くのですが、その通知を見ずに捨てたり、失念していた場合、身に覚えのない会社から催告書が届いたと驚くこととなります。振込め詐欺の可能性もありますが、弁護士に対応を依頼するのが望ましいです。

 

40代 女性  簡易裁判所から100万円の支払いを求める支払督促申立書が届いた

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ある日、突然、裁判所から自宅に支払督促申立書が届き、驚いて当事務所にご相談されました。お話を伺うかぎり、身に覚えのない会社名であり、これまで一切連絡が来たことがないとのことでした。

 

弁護士が依頼を受けた後、直ちに時効を援用する旨記載した督促異議申立書を裁判所に提出しました。その後、申立人である債権者は支払督促を取り下げ、終結しました。

 

鈴木 淳也弁護士からのコメント

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支払督促という言葉に聞きなじみがないかもしれませんが、実在する裁判所を用いた債権回収手段です。支払督促申立書を受領して2週間以内に異議申立てをしませんと、仮執行宣言の申立てが可能となり、仮執行宣言付支払督促申立書を受領して2週間以内に異議申立てをしませんとご自身の財産に対し仮執行という強制執行がなされてしまいます。「身に覚えがないから」、「時効だから」といった理由で支払督促を放置するのは絶対にやめましょう。

 

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