【再婚して連れ子を養子縁組したり子供が生まれた場合】養育費の減額と計算方法
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東京都墨田区、錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。 |
離婚する際に養育費の取り決めを行ったのだけど、その後、生活状況が変わってしまい、当初決めた養育費を支払い続けるのが難しい、減額して欲しいというご相談がよくあります。
今回は、養育費を支払っている者(以下、「義務者」といいます。)が、再婚して扶養家族が増えた場合に、減額される養育費の計算方法について解説します。
1 再婚して子供が生まれる、連れ子と養子縁組する
再婚して子供が生まれたり、再婚相手の連れ子と養子縁組すると、これらの子供は義務者の被扶養者となります。扶養家族が増えることになります。
養育費は、簡単に言いますと、義務者の収入を被扶養者達で分け合うものです。扶養家族が増えれば、分け合う人数が増えることになりますので、義務者の年収が増えない限り、一人当たりの養育費の金額というのは少なくなります。
養育費の減額というのは、扶養家族が増え、1人あたりの金額が下がることから認められるのです。
2 再婚相手に収入がない場合
義務者の再婚相手に収入がない場合、再婚相手も義務者の被扶養者となります。
再婚相手に収入はあるのだけど、月10万円もいかない程度の収入であって自己の生活費を賄う程度を超えない場合もあります。この場合であっても、義務者の被扶養者ということになります。
無収入と自活は出来ない程度に収入があるというのは、区別されますので、後述する養育費の計算の際に違いが生じます。
3 具体例と計算方法
⑴計算式
詳細は、こちらご覧ください。
①子どもの最低生活費
=義務者の基礎収入×{(子どもの生活費指数)÷(義務者の生活費指数+子どもの生活費指数)}
②義務者の養育費分担額(年額)
=子どもの最低生活費 ×(義務者の基礎収入 ÷ 権利者と義務者の基礎収入合計)
⑵具体例と計算
例:Aの年収800万円(給与所得者)、Bの年収200万円(給与所得者)。二人の間の子どもは、C(5歳)が一人。AとBは離婚する際にBを親権者とした。養育費は算定表に基づき月額8万円とした。離婚成立してから1年後にAはDと再婚した。Dには10歳の連れ子Eがいて、Aは養子縁組をした。その1年後に、AとDとの間にFが生まれた。Dは現在仕事をしていない。Aは毎月8万円の養育費が苦しくなってきたので減額を求めたい。いくらに減額できるか
Aが再婚して、Eと養子縁組したこと、Fが生まれたことで、Dが無収入であることから、Aの被扶養者としてD、E、Fの3名が増えたことになります。
①基礎収入、生活費指数
数式に当てはめるために、数値を順番に確認していきます。
義務者の基礎収入:320万円
権利者の基礎収入:86万円
Aの生活費指数:100
E、Fの生活費指数:62
ここで、再婚相手Dの生活費指数ですが、通常大人であれば100とするのですが、15歳未満の子の生活費指数と同様に扱われることが多いです。
ですから、Dの生活費指数も62となります。
②Cの生活費
Cの生活費=Aの基礎収入×Cの生活費指数÷(A、C、D、E、Fの生活費指数の合計)
この数式に当てはまて算出します。
数値を具体的に当てはめますと、
320万円×62(C)÷(100(A+62(C)+62(D)+62(E)+62(F))}
≒57万円
③養育費の月額
57万円×320万円÷(320万円+86万円)÷12か月
≒3万7500円
したがって、現在の生活状況を踏まえると、養育費としては3万7500円が適切な金額であるということになります。
具体例の場合ですと、養育費の減額を求めたら、半分程度は減額される可能性があります。
ただし、この例で再婚相手のDは無収入ですが、働けない事情の有無が問題となることがあります。また、無収入ではなく、自己の生活費を賄うに足りない程度の収入がある場合、生活費指数は62よりも少ない数値になりますので、養育費の減額は小さくなります。
4 養育費の減額請求は当事務所にお任せください
当事務所では、離婚や養育費といった男女問題について積極的に取り扱っております。
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