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錦糸町の弁護士へ法律相談 | 鈴木淳也総合法律事務所 - 子の引き渡しを求める方法【離婚前の別居中に子を連れ戻す】

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子の引き渡しを求める方法【離婚前の別居中に子を連れ戻す】

カテゴリ: 親権・監護 公開日:2022年03月09日(水)

子の引き渡し

 

 

 

  墨田区の弁護士 東京都墨田区、錦糸町駅近くにある鈴木淳也総合法律事務所です。

 

 

離婚する前の状況として、配偶者が子どもを連れて家から出て行ってしまった、子どもを連れて別居していたら夫が突然やって来て子供を連れ去っていった、というような場合があります。子どもと一緒に暮らしていくためには、自力で子どもを連れ戻すということは行ってはいけません。子の引渡しを求める法的な手続を行う必要があります。

 

以下で詳しく解説します。

 

 

法的な対応方法

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子の引渡しを求める方法として、以下のような手続があります。

①子の引き渡しの調停

②子の引き渡しの審判

③子の引き渡しの審判前の保全処分

 

 

①、②はどちらでも自由に申し立てることができます。③を申し立てるには、①か②が申し立てられている必要があります。つまり、③だけ単独で申し立てることはできません。また、後述するとおり、③は緊急性が高い時に申立てて認められるものであり、認められるためのハードルが高いです。

 

それぞれの手続について以下で詳しく解説します。

 

子の引き渡しの調停

子の引き渡しを求めて調停を申し立てることが出来ます。

調停というのは、調停委員2名と当事者が交互に話し合う形で進行していきます。

 

あくまで話し合いですので、話がまとまらない可能性もありますし、まとまるまでに時間もかかります。

調停は、1か月から2か月に1回行われるのですが、1回やっても全く進展しないということもあります。

最終的に話し合いがまとまらないと、調停は不成立となり終わります。裁判官が何か結論を出すという手続ではないのです。

 

ここで何が問題かといいますと、時間が経ちすぎると、それだけ長い期間、子は配偶者のもとでの生活を継続することになるので、配偶者との生活になじんでしまう可能性があるのです。

 

ですから、子の引き渡しの調停という手続があるにしても、利用せず、後述する審判手続をいきなり申し立てるのがいいでしょう。

 

子の引き渡しの審判

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⑴審判手続きとは

家庭裁判所に子を引渡すように命令する審判を出すように求めることになります。

通常は、監護者指定の審判と同時に申し立てます。

審判というのは、調停と異なり、単なる話し合いの場ではありません。裁判官が当事者から出された主張や証拠に基づき必ず結論を出します。

 

なお、子の引渡しを求める審判と同時に監護者指定の審判も申し立てます。監護者指定審判の詳細はこちら

 

⑵調査官報告

審判の中では、家庭裁判所の調査官が夫婦両名と子、その他関係者から事情を聴取するといった調査を行い調査報告書を作成します。調査報告書のなかには、子の引渡しをすべきか否かについて調査官の意見も記載されています。裁判官は直接調査するわけではないため、この調査報告書が重視され裁判官の判断に影響することとなります。

そのため、調査報告書記載の事実に誤りがある場合は、全て指摘しておかなければなりません。

 

⑶審判に当たって考慮されること

判断要素

①連れ出した状況

②現在の生活環境

③連れ出す前の監護状況

④引き取り後の監護態勢

 

 

①連れ出した状況

子を連れて別居したのか(すなわち子と一緒にいる状況で共に外に出て行ったのか)、子と別居している状況から子を連れだしたのか大きく分かれます。

無理やり子を連れだしたのか否かという点からすると、後者の方が無理やりなされる場合が多く、そうなると他方の親からの引渡し請求が認められやすくなります。

 

②現在の監護環境

現在の監護環境に問題があれば引き渡しが認められやすくなります。

学校に通う、食事もとれているなど特に子供が放置されたり、体調を崩したり、していない状況ですと

現在の監護環境に問題はないと判断されやすくなります。

 

また、相手のもとで監護している監護期間も重要な要素となります。期間が長くなればなるほど、現在の環境を変えない方がいいという判断になり、引き渡しが認められにくくなります。

 

③連れ出す前の監護状況

同居中にどちらが主に監護していたのかという点が考慮されます。

主に監護して親が引渡しを求める場合は認められる可能性は高くなります。

一方で、監護をしてこなかった親が引渡しを求めても、引渡したところで適切な監護がなされるかどうか不透明であるため、認められる可能性は低くなります。

 

④引き取り後の監護態勢

監護できる状況が整っていなければ、引き渡しは認められにくくなります。

仕事があって日中に送り迎えが難しいという場合でも、近くに両親が住んでいて、監護を手伝ってくれるという監護補助者がいればそれも考慮されます。

 

⑷引渡しが認められた後の対応

子の引渡しを命じる審判が認められた場合、相手が任意にお子様を引渡せばいいのですが、そうでない場合は強制執行をすることとなります。

強制執行には、間接強制と直接的な強制執行の2種類ががあります。強制執行の申立てをする者が債権者、される者が債務者と呼びます。

①間接強制とは

間接強制というのは、一定期間内にお子様を引渡さない場合に間接強制金を課すことを警告することで、心理的圧迫を与え自発的に引渡すように促す手続です。実効性が高いとはいえません。

 

②直接的な強制執行

間接強制行っても奏功しなかった場合または、緊急性が高い場合は直接的な強制執行を行います。

直接的な強制執行というのは、執行官が子のいる場所まで行ってお子様を連れて行き、債権者に引渡す手続です。

原則として、債権者が執行場所に出頭している必要があります。

 

もしお子様が債務者の祖父母に預けられている等、債務者が直接占有する場所以外の場所を住居としている場合には、第三者の占有する場所での執行の許可の申立てが必要となります。

 

緊急性がない場合は、まずは間接強制を行い、その後直接的な強制執行を行うこととなります。

 

子の引き渡しの審判前の保全処分

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⑴審判前の保全処分とは

審判で結論が出るには時間を要します。そのため、仮の結論を取り急ぎ出してもらう手続が審判前の保全処分です。

認められると、仮に子供を引渡してもらうことになります。

双方から出された主張、証拠に基づき、短期間で結論を出します。

審判前の保全処分を求めるには、そもそも審判の申立がされていることで必要となります。前述の審判と同時に申し立てても構いません。

 

⑵審判前の保全処分が認められるための要件

審判前の保全処分が認められるには以下の要件を満たす必要があります。

①申立てしている審判が認めれられる蓋然性

②保全の必要性があること

 

保全の必要性というのは、「子の引渡しを求める審判前の保全処分の場合は、子の福祉が害されているため、早急にその状態を解消する必要があるときや、本案の審判を待っていては、仮に本案で子の引渡しを命じる審判がされてもその目的を達することができないような場合がこれに当たり、具体的には、子に対する虐待、放任等が現になされている場合、子が相手方の監護が原因で発達遅滞や情緒不安を起こしている場合など」のこととされています(東京高等裁判所平成15年1月20日決定)

 

たとえば、現在、子が相手方のもとで安定した生活を送っている場合は、保全の必要性は認められません。

 

以上のとおり、審判前の保全処分が認められるのはハードルが高いといえます。

 

保全命令は告知だけですぐに効力を生じます。執行できる期間は短く、保全命令の送達から2週間です。

 

 

まとめ

・子の引渡しを自力で行ってはならず、法的手続を踏む必要がある

・子の引渡しを求めるなら、調停より審判を申し立てた方がいい

・子の引渡しの審判を申し立てる際は、監護者指定の審判も申し立てる

・審判前の保全処分も同時に申し立てることがあるが、認められるためのハードルは高い

・子の引渡しが認められても相手が引渡さない場合は、まずは間接強制、次に直接的な強制執行を行う

 

 

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以上のとおり、子の引き渡しを認めるかどうかの判断基準は多岐にわたります。

また、子の引き渡しを求めると同時に、監護者の指定も求めていくことになります。

 

一人では心細いと思われますので、ぜひ弁護士にご依頼なさることをお勧めします。

  

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