【養育費】相場の計算方法~子供を1人ずつ引き取る場合~
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東京都墨田区、錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。 |
離婚で問題となる養育費に関して、養育費の算定表というのは、代表的なケースに適用するのを想定して作成されていることは、以前の記事「新しい養育費の算定方法。新算定表の見方と計算式」にて記載しました。今回は、代表的ではないケースについての計算方法を解説します。
1.養育費の計算方法
まずは、養育費の金額を求める計算式です。
詳細は、こちらご覧ください。
①子どもの最低生活費
=義務者の基礎収入×{(子どもの生活費指数)÷(義務者の生活費指数+子どもの生活費指数)}
②義務者の養育費分担額(年額)
=子どもの最低生活費 ×(義務者の基礎収入 ÷ 権利者と義務者の基礎収入合計)
2.二人の子を夫、妻が別々に1名ずつ監護する場合
例:夫の年収830万円(給与所得者)、妻の年収250万円(給与所得者)。子どもは、長男16歳と長女11歳の二人で、長男は夫が、長女は妻が親権者となり養育監護していく。妻が夫に請求できる養育費はいくらか。
子どもが2人いて夫婦の一方が子供の親権者となるというのが代表的ですが、それぞれの子どもについて別々に親権者と定めることもあります。子どもを別々に引き取るケースです。
このような事例は算定表から知ることが出来ないので、計算式を用いて計算していきます。
⑴ 妻が二人の子供を監護する場合の金額
step1 妻が二人の子供を養育監護する場合の養育費の金額を算出する
計算式に当てはめて計算すればいいだけです。
①基礎収入
夫:830万円×40%=332万円
妻:250万円×43%=107万5千円
②最低生活費
332万×{(62+85)/(100+62+85)}
=197万5870円
③分担額
197万5870円×{332万円/(332万円+107.5万円)}
=149万2580円
⑵ 夫が養育監護する子の配分割合を控除
step2 夫が養育監護する子の配分割合を控除する
step1で算出した分担額は子ども二人の生活費ですから、夫が監護する長男の配分割合相当額をここから控除していきます。
配分割合というのは、子ども達の生活費指数の割合ということです。
長男の生活費指数:85
長女の生活費指数:62
149万2580円に占める長男の割合は、85 ÷(85+62)ということになります。
そうすると、長女の養育費は、
149万2580円×{62/(85+62)}=62万9523円
よって、この場合、妻が夫に請求できる養育費の目安は年額62万9523円、月額約5万2000円となります。
これは、あくまでも計算で算出した金額です。
3.まとめ
このように、算定表で求めることが難しい場合であっても、計算式を用いることで、計算することが出来ます。なお、養育費の計算式で導かれる数値もあくまでも目安値に過ぎず、個別具体的な状況によって裁判所は増減させた金額を導くことがあります。
特別な事情がある場合には、弁護士と相談して、適切な金額を主張するようにしてください。
当事務所では、離婚や養育費といった男女問題について積極的に取り扱っております。
初回相談料は無料です。
電話による相談も可能で、遠方にお住まいの方からの依頼も承っております。
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