【不正アクセス禁止法違反】逮捕されるか?罰則と不起訴の可能性
![]() |
東京都墨田区、錦糸町駅近くにある鈴木淳也総合法律事務所です。 |
不正に取得した他人のIDやパスワードを用いてインターネットショッピングで不正購入する等といった犯罪が増えております。不正アクセス禁止法違反となります。どのような行為が罰せられるのか、刑の重さや不起訴の可能性等について以下で解説します。
目次
不正アクセス禁止法違反とは
正式名称は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律といいます。
以下の行為が禁止されています。
①不正アクセス行為
②不正アクセス行為につながる識別符号の不正取得・保管
③不正アクセス行為を助長する行為
不正アクセス禁止法違反の罰則
不正アクセス行為の禁止・処罰
罰則
3年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
処罰される行為
①なりすまし行為
ネットワークを通じてアクセス制御機能(コンピュータやネットワークにアクセスできる利用者を制限する機能)により利用が制限されているコンピュータを正規の利用者である他人のIDやパスワード等を無断で入力する行為
②セキュリティホールを攻撃する行為
セキュリティホール(プログラムの不具合や設計上のミスで発生した情報セキュリティの欠陥)を攻撃することで、アクセス制御機能を回避してコンピュータを利用可能にする行為
他人の識別符号を不正取得・保管・入力要求する行為の禁止と処罰
罰則
1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
処罰される行為
不正アクセスに用いる目的で他人のIDやパスワードを取得する行為
不正アクセスに用いる目的で不正に取得されたIDやパスワードを保管する行為
利用者にIDやパスワードの入力を不正に求める行為(いわゆるフィッシング行為)
不正アクセス行為を助長する行為の禁止と処罰
罰則
1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
処罰される行為
本人に無断で本人のIDやパスワードを第三者に教える行為。
不正アクセスに用いられるというのを承知で第三者に教えて、第三者が不正アクセス行為をした場合は、不正アクセス行為の共犯として処罰されます。
不正アクセス行為の認知件数
犯罪白書によれば、不正アクセス行為の認知件数は、令和元年は2960件ありその前年よりも99.2%も増加しています。
不正アクセス行為の内訳は多い順に以下のとおりです
①インターネットバンキングでの不正送金等
②インターネットショッピングでの不正購入
③メールの盗み見等の情報不正入手
④オンラインゲーム・コミュニティサイトの不正操作
不正アクセス禁止法違反で逮捕されると
不正アクセス禁止法違反によって逮捕される可能性があります。
逮捕されてしまうと勾留請求されるまで最大3日間、勾留請求が認められてしまうとさらに最大20日間に渡って身体を拘束されることになります。
弁護士に依頼をすれば、逮捕された段階で勾留請求をしないように検察に申し入れをし、勾留を認めないよう裁判所に意見書を提出し、仮に勾留が認められてしまった後であっても勾留決定に対して不服の申立てをして勾留されないように活動していきます。
起訴される可能性
不正アクセス禁止法違反で起訴される確率は、26%程度です。
そのうち、略式起訴(一般的な刑事裁判が開かれない形)されるのは68%です。
したがって、起訴された人の7割近くは略式罰金で終結していることになります。
ただ、略式罰金でも前科となってしまいます。
不起訴を狙うためには弁護士に依頼すべきでしょうか。
不正アクセスされた被害者が実在しますので、弁護士が被害者の方と示談を行い、示談が成立すれば有利な情状として不起訴になる可能性が高くなります。
示談をするにしても、警察や検察が被害者情報を加害者本人に教えることはありません。弁護士が付いていないと示談交渉がそもそも行えないというのが一般的です。
不正アクセス禁止法違反は当事務所にご相談を
不正アクセス禁止法違反は、罰金刑もあり比較的軽い犯罪ではあります。対応次第では、勾留を防げる可能性も高い犯罪です。早急に弁護士に依頼することが重要です。
当事務所では、刑事弁護に関しまして、積極的に取り扱っております。
初回相談料は無料です。
相談は事前予約制です。問い合わせフォームから問い合わせいただき、面談予約をお取りください。
電話による相談も可能で、遠方にお住まいの方からの依頼も承っております。
解決事例
20代 男性 他人のアカウントに無断ログインしたことで立件→不起訴処分へ
![]() |
依頼者の方は、過去に、SNSを通じて教えてもらった情報に基づき、第三者が使用するアカウントに無断でログインし、写真などを勝手に閲覧しました。その後、忘れたころに警察官が突然自宅に警察がやって来て、不正アクセス禁止法違反の被疑事実で捜査を受けたことから、不安になり遠方にお住まいでしたが当事務所に問い合わせされリモート面談を実施のうえ、当事務所に弁護の依頼をされました。
弁護士が担当刑事と連絡をとり、犯罪発覚の経緯や送致予定の犯罪事実について確認したのち、弁護活動を行いました。事件は検察庁に送致され、担当検事は当初は略式起訴にするという意向でした。しかし、弁護士が不起訴にすべき事情を担当検事に主張して交渉した結果、最終的には不起訴処分となりました。 |
【関連記事】
・勾留期間は最大どれくらいか?勾留阻止、釈放に向けた対応方法
・【盗撮(迷惑防止条例違反)】逮捕、勾留はされるのか?不起訴に向けた示談と相場
・【傷害罪】逮捕、勾留されるのか?懲役回避、不起訴に向けた示談の相場
・【窃盗・万引き】逮捕、勾留されるのか?懲役回避、不起訴に向けた示談