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錦糸町の弁護士へ法律相談 | 鈴木淳也総合法律事務所 - 【不正アクセス禁止法違反】逮捕されるか?罰則と不起訴の可能性

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【不正アクセス禁止法違反】逮捕されるか?罰則と不起訴の可能性

カテゴリ: 犯罪・刑事事件  公開日:2021年08月18日(水)

 

 

不正アクセス禁止法違反

 

 

 

  錦糸町の弁護士 東京都墨田区、錦糸町駅近くにある鈴木淳也総合法律事務所です。

 

 

不正に取得した他人のIDやパスワードを用いてインターネットショッピングで不正購入する、他人のSNSに無断でログインして非公開の写真やメッセージを閲覧するといった犯罪が増えております。不正アクセス禁止法違反となります。どのような行為が罰せられるのか、刑の重さや不起訴の可能性等について以下で解説します。

 

 

 

不正アクセス禁止法違反とは

正式名称は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律といいます。

 

以下の行為が禁止されています。

①不正アクセス行為(不正アクセス罪)

②不正アクセス行為につながる識別符号の不正取得・保管(不正取得罪、不正保管罪)

③不正アクセス行為を助長する行為(不正助長罪)

 

 

 

不正アクセス禁止法違反の罰則

不正アクセス禁止法違反の罰則

 

不正アクセス行為の禁止・処罰(不正アクセス罪)

 

罰則

3年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

 

処罰される行為

①なりすまし行為

ネットワークを通じてアクセス制御機能(コンピュータやネットワークにアクセスできる利用者を制限する機能)により利用が制限されているコンピュータを正規の利用者である他人のIDやパスワード等を無断で入力する行為

 

具体例

・アカウント名の氏名や公開されいている生年月日からパスワードを推測して他人のSNSに無断でログインする

 

 

②セキュリティホールを攻撃する行為

セキュリティホール(プログラムの不具合や設計上のミスで発生した情報セキュリティの欠陥)を攻撃することで、アクセス制御機能を回避してコンピュータを利用可能にする行為

 

 

 

他人の識別符号を不正取得・保管・入力要求する行為の禁止と処罰(不正取得罪、不正保管罪)

 

罰則

1年以下の懲役又は50万円以下の罰金

 

処罰される行為 

不正アクセスに用いる目的で他人のIDやパスワードを取得する行為

不正アクセスに用いる目的で不正に取得されたIDやパスワードを保管する行為

利用者にIDやパスワードの入力を不正に求める行為(いわゆるフィッシング行為)

 

具体例

・ID・パスワードが記載された紙、記録されたUSBメモリ、ICカード等の電磁的記録媒体を保有したり、自らが使用するスマートフォンやパソコンに保存する

 

不正アクセス行為を助長する行為の禁止と処罰(不正助長罪)

 

罰則

1年以下の懲役又は50万円以下の罰金

 

処罰される行為 

本人に無断で本人のIDやパスワードを第三者に教える行為。

不正アクセスに用いられるというのを承知で第三者に教えて、第三者が不正アクセス行為をした場合は、不正アクセス行為の共犯として処罰されます。

 

 具体例

・SNS等で第三者に対し、他人のログインパスワードを無断で通知又は公開する行為

 

不正アクセス行為の認知件数

犯罪白書によれば、不正アクセス行為の認知件数は、令和元年は2960件ありその前年よりも99.2%も増加しています。

 

不正アクセス行為の内訳は多い順に以下のとおりです

①インターネットバンキングでの不正送金等

②インターネットショッピングでの不正購入

③メールの盗み見等の情報不正入手

④オンラインゲーム・コミュニティサイトの不正操作

 

不正アクセス禁止法違反で報道された事例

⑴ パスワードを推測して友人のインスタグラムに不正ログイン

友人のインスタグラムに不正にログインしたとして、府警は1日、福知山市の無職の女(20)を不正アクセス禁止法違反の疑いで書類送検し、発表した。「SNSをブロックされたので嫌がらせをするため」と認めているという。

 サイバー犯罪対策課によると、女は6月4〜19日、12回にわたって同市の20代女性のインスタにIDとパスワードを入力して不正にログインした疑いがある。

2人は友人だった。パスワードは名前と生年月日から推測して割り出していた。本人のふりをして「旦那嫌い」などのメッセージを送ったり、わいせつ画像を投稿したりしたという。(朝日新聞2022年12月2日朝刊より引用)

 

この件のように、パスワードを氏名と生年月日にから推測して不正アクセスするケースは非常に多いです。また、なりすまし投稿まで行ってしまいますと悪質性が高くなってしまいます。

 

⑵ 偶然盗み見えたIDとパスワードを使って不正ログイン

県警サイバー犯罪対策課と船橋東署は17日、独立行政法人自動車技術総合機構の職員の男(31)=千葉市中央区=を不正アクセス禁止法違反の疑いで千葉地検に書類送検し、発表した。

課によると、男は昨年10〜11月、船橋市習志野台8丁目の関東運輸局千葉運輸支局習志野自動車検査登録所の事務所で、国土交通省職員の机の上にあったIDとパスワードを盗み見て、車の使用者を登録したシステムに計4回不正接続し、住所や名前を閲覧した疑いがある。

男は「街やネットで見かけて気になった改造車両を照会したかった」と容疑を認めているという。関東運輸局の担当者は「生体認証の導入を検討している」と話した。(朝日新聞2023年8月19日朝刊より引用)

 

この件では、机上にあったIDとパスワードを盗み見て知ったとのことです。この程度であれば、不正取得罪までは成立しません。

アクセス権限ないにもかかわらず、アクセス権限のある他人になりすましてアクセスしていますので、不正アクセス罪が成立します。

 

⑶ オンラインゲームの育成を依頼されて完了した後、無断ログイン

県警サイバー犯罪対策課は26日、会社員の男(23)=津市島崎町=を不正アクセス禁止法違反と私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで大津地検に書類送検し、発表した。

同課によると、男は2月15日、スマホの人気オンラインゲーム「ドラゴンクエストウォーク」に他人のIDとパスワードを使ってログインし、データを自分のアカウントに移動させた疑いがある。

40代男性が昨年、ゲームのアカウントやアイテムなどを現金で売買する「リアルマネートレード(RMT)」と呼ばれるサイトを通じて、男に「キャラクターの育成をしてほしい」と依頼。自分のアカウントのIDとパスワードを教えて、男に数千円を支払った。

育成はきちんとされたが、男はその後、男性のIDとパスワードを使い、無断でログイン。アイテムなどを自分のアカウントに移動させ、第三者に売ったという。(朝日新聞2023年10月27日朝刊より引用)

 

この件は、当初は、アカウント所有者からの依頼に基づきログインしてキャラクター育成を行っておりましたが、キャラクター育成を終えて、もはやアカウント所有者の同意がない状況下で、ログインをしたことで不正アクセス罪が成立しています。

 

⑷ 電子マネーサイトに無断ログインしたうえ同電子マネーを用いて店舗で買い物

国際犯罪対策課によると、容疑者は、別の中国人らと共謀して昨年6月、他人のIDとパスワードを使いJREポイントが利用可能になったバーコード画面をスマートフォンに表示し、江戸川区の店舗で美容液16点(合計約12万8千円相当)をだましとった疑いがある。(朝日新聞2023年9月15日朝刊より引用)

 

この件のように、スマートフォンの普及により、電子マネーの不正利用被害が増えています。

アプリにパスワードを入力してログインしたうえで使用するため、IDとパスワードが第三者に知られている場合は、不正利用されてしまうのです。この件では、不正アクセス罪が成立するとともに、店舗に対し、電子マネーの利用権限がないのにあるかのように装って商品を購入しているため、詐欺罪も成立することとなります。店舗に対する詐欺について詳しくは、こちら

 

⑸ 有名人のSNSアカウントのログイン情報を転売

サイバー犯罪捜査課によると、男は2020年7月~昨年6月、プロスポーツ選手や美容師計4人のSNSアカウントのIDとパスワードを不正に取得してログインしたうえ、19~22歳の男4人に売却した疑いがある。13万円で売買されたアカウントもあったという。男は公表されている選手らの生年月日などからパスワードを推測したと供述。「約150個割り出した。特に公式アカウントはフォロワーが多く、高く売れた」とし、これまでに400万~500万円を得たという。府警はこのほかに19歳の少年2人も購入した疑いで書類送検した。(朝日新聞デジタル2023年5月10日の記事より引用)

 

こちらの事件は、不正アクセスするにとどまらず、第三者にアカウントのIDとパスワードを転売という形で教えていますので、不正助長罪が成立します。転売の対価を得ていること、余罪が多いことから悪質性が高いと判断され、処分が重くなります。

購入した側も不正取得罪が成立しますので、書類送致されています。取得する側も犯罪であるということに注意しましょう。

不正アクセス禁止法違反で逮捕されると

不正アクセス禁止法違反での逮捕

 

不正アクセス禁止法違反によって逮捕される可能性があります。

逮捕されてしまうと勾留請求されるまで最大3日間、勾留請求が認められてしまうとさらに最大20日間に渡って身体を拘束されることになります。

 

弁護士に依頼をすれば、逮捕された段階で勾留請求をしないように検察に申し入れをし、勾留を認めないよう裁判所に意見書を提出し、仮に勾留が認められてしまった後であっても勾留決定に対して不服の申立てをして勾留されないように活動していきます。

 

起訴される可能性

不正アクセス禁止法違反で起訴

 

不正アクセス禁止法違反で起訴される確率は、26%程度です。

そのうち、略式起訴(一般的な刑事裁判が開かれない形)されるのは68%です。

 

したがって、起訴された人の7割近くは略式罰金で終結していることになります。

 

ただ、略式罰金でも前科となってしまいます。

 

不起訴を狙うためには弁護士に依頼すべきでしょうか。

不正アクセスされた被害者が実在しますので、弁護士が被害者の方と示談を行い、示談が成立すれば有利な情状として不起訴になる可能性が高くなります。

 

示談をするにしても、警察や検察が被害者情報を加害者本人に教えることはありません。弁護士が付いていないと示談交渉がそもそも行えないというのが一般的です。

 

不正アクセス禁止法違反は当事務所にご相談を

墨田区錦糸町の弁護士へ相談 

 

不正アクセス禁止法違反は、罰金刑もあり比較的軽い犯罪ではあります。対応次第では、勾留を防げる可能性も高い犯罪です。早急に弁護士に依頼することが重要です。

 

当事務所では、刑事弁護に関しまして、積極的に取り扱っております。

初回相談料は無料です。

 

当事務所の料金表

 

相談は事前予約制です。問い合わせフォームから問い合わせいただき、面談予約をお取りください。

電話による相談も可能で、遠方にお住まいの方からの依頼も承っております。

 

 

 

解決事例

20代 男性 他人のアカウントに無断ログインしたことで立件→不起訴処分へ 

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依頼者の方は、過去に、SNSを通じて教えてもらった情報に基づき、第三者が使用するアカウントに無断でログインし、写真などを勝手に閲覧しました。その後、忘れたころに警察官が突然自宅に警察がやって来て、不正アクセス禁止法違反の被疑事実で捜査を受けたことから、不安になり遠方にお住まいでしたが当事務所に問い合わせされリモート面談を実施のうえ、当事務所に弁護の依頼をされました。

弁護士が担当刑事と連絡をとり、犯罪発覚の経緯や送致予定の犯罪事実について確認したのち、弁護活動を行いました。事件は検察庁に送致され、担当検事は当初は略式起訴にするという意向でした。しかし、弁護士が不起訴にすべき事情を担当検事に主張して交渉した結果、最終的には不起訴処分となりました。

 

 

30代 女性 他人のSNSに不正ログインし、第三者にもログイン情報を提供→不起訴

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SNSの投稿を通じ、他人のSNSに不正ログインすることに興味を持つようになり、不正アクセスを行っておりました。次第に、不正アクセスするだけでなく、SNSで知り合った第三者に対し、他人のアカウントのログイン情報を教えるようになりました。教えた第三者が不正アクセスし、なりすまし投稿をしたことで犯罪が発覚し、当事務所へご依頼されました。

 

不正アクセス罪と不正助長罪が成立する事案でした。弁護士が迅速に弁護活動を行った結果、検察庁に事件は送致されましたが、不起訴処分となりました。

 

 

 

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