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【弁護士解説】不正アクセスで警察から連絡…逮捕される?示談や自首で不起訴にする方法と「発覚の仕組み」

カテゴリー: 犯罪・刑事事件  公開日:2026年02月07日(土)

不正アクセス禁止法違反の逮捕と示談

【弁護士解説】不正アクセスで警察から連絡…逮捕される?示談や自首で不起訴にする方法と「発覚の仕組み」

「友人のSNSパスワードを推測してログインしてしまった…」
「オンラインゲームのアカウントを乗っ取ったら、警察から電話が来た…」

軽い気持ちで行った不正アクセスであっても、ある日突然、警察が家に来て逮捕される可能性があります。「被害届が出ていないから大丈夫」「バレていない」というのは大きな誤解です。

この記事では、なぜ被害者が気づいていないのに警察が動くのかという「発覚のカラクリ」や、逮捕・勾留を回避するための「自首」、そして前科をつけない(不起訴)ための「示談交渉」について、弁護士が詳しく解説します。

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鈴木淳也総合法律事務所 東京都墨田区錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。
〒130-0013 東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル14階/TEL:03-6853-6757
不正アクセス禁止法違反等のサイバー犯罪における弁護・示談解決の実績が多数ございます。

1.「被害者は気づいていない」は通用しない?発覚のメカニズム

多くの方が「被害者が騒いでいないから、まだバレていない」と誤解しています。しかし、不正アクセス事件においては、被害者自身が被害に気づく前に、警察があなたを特定しているケースが非常に多いのです。

統計が示す「被害者以外のルート」からの発覚

警察庁等が公表している『不正アクセス行為の発生状況』の統計データ(認知端緒別検挙件数等)を見ると、衝撃的な事実がわかります。
被害者からの届出だけでなく、以下のルートでの検挙が一定の割合(約2割)を占めているのです。

【警察活動による探知(約15%)】
サイバーパトロールや、別の事件(詐欺や名簿売買など)の捜査中に、押収した犯人のパソコンやスマホを解析(フォレンジック)した結果、そこから芋づる式にあなたの不正アクセスのログが発見されるケースです。

【管理者(サーバー運営者)からの届出(約4%)】
Amazon、LINE、オンラインゲーム会社などのサーバー管理者は、常にアクセスログを監視しています。普段と異なるIPアドレスからの接続や連続したログイン試行などの「異常値」をシステムが検知すると、被害者本人ではなく、管理者が直接警察へ通報します。

これは、児童ポルノ捜査におけるNCMEC(全米行方不明・被搾取児童センター)の通報システムと同様に、「システム側が犯罪を検知して警察に知らせる」という構造です。
つまり、被害者が「何も盗まれていないし、気づいていない」状態であっても、警察署ではすでにあなたのIPアドレスや契約者情報が特定され、逮捕状の請求準備が進んでいる可能性があるのです。

2.不正アクセス禁止法違反の罰則と逮捕リスク

では、具体的にどのような刑罰があり、逮捕されるとどうなるのでしょうか。

禁止されている行為と罰則

  • 不正アクセス罪(3年以下の懲役又は100万円以下の罰金)
    他人のID・パスワードを無断で入力してログインする行為(なりすまし)。
  • 不正取得罪(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
    不正アクセスする目的で、他人のID・パスワードを聞き出したり入手したりする行為。
  • 不正助長罪(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
    他人のID・パスワードを、正当な理由なく第三者に教える(提供する)行為。

逮捕・勾留のタイムスケジュール

警察がいきなり自宅に来て逮捕(通常逮捕)された場合、以下のスケジュールで手続きが進みます。この期間、会社や学校には行けません。

  1. 逮捕(最大72時間)
    警察署の留置場に入れられ、取り調べを受けます。この間は家族であっても面会できません。
  2. 勾留(原則10日間、延長含め最大20日間)
    検察官が「逃亡や証拠隠滅の恐れがある」と判断し、裁判所が認めると、さらに長期間拘束されます。不正アクセス事件は、スマホやPCのデータを消去する「証拠隠滅」が容易であるため、勾留されやすい傾向にあります。
  3. 起訴・不起訴の決定
    勾留期間が満了するまでに、検察官が裁判にかける(起訴)か、釈放する(不起訴)かを決めます。

3.不起訴(前科なし)を勝ち取るための「示談交渉」

不正アクセスをしてしまった事実が間違いなければ、目標は「不起訴処分(前科がつかない)」を目指すことです。そのために最も重要なのが、被害者との示談です。

被害者の連絡先を知らない場合の対処法

ネット上のトラブルでは、相手の住所や本名を知らないケースがほとんどです。また、加害者本人が「謝りたいから連絡先を教えてくれ」と警察に頼んでも、被害者保護の観点から絶対に教えてもらえません。
ここで弁護士の出番となります。

【弁護士による示談の流れ】

  1. 弁護士が捜査機関(検察官や警察官)に対し、「被疑者は反省しており、謝罪と賠償を行いたい。被害者に『弁護士限りであれば連絡先を教えても良いか』を確認してほしい」と申入れを行う。
  2. 捜査機関が被害者の意向を確認する。
  3. 被害者が承諾した場合、弁護士にのみ連絡先が開示される。
  4. 弁護士が被害者と連絡を取り、示談交渉を行う。

捜査機関を通じた正規のルートで、誠意を伝えることが唯一の方法です。
示談が成立し、被害者から「許す(宥恕)」という文言が入った示談書(嘆願書)を提出できれば、初犯であれば不起訴処分となる可能性が極めて高くなります。

4.警察が来る前に動く!「自首」という選択肢

まだ警察から連絡が来ていない場合、あるいは任意の呼び出し段階であれば、「自首」を検討すべきです。

自首のメリット

  • 逮捕を回避できる可能性が高まる:
    自ら出頭することで「逃亡や証拠隠滅の恐れがない」と判断されやすくなり、逮捕されずに在宅事件(普段通りの生活をしながら捜査を受ける)になる可能性が高まります。
  • 刑が軽くなる(減軽):
    法律上、自首は刑の減軽事由として定められています。

当事務所では、弁護士が警察署への出頭に同行し、適切な供述ができるようサポートする「自首同行」も行っております。

5.報道された事件と当事務所の解決例

不正アクセス禁止法違反で報道された事例

近年、パスワードを「名前+生年月日」などから推測し、知人のSNSに侵入する手口が多発しています。
以下のように、「ただ見たかっただけ」「嫌がらせ」という動機であっても、立派な犯罪として立件されています。

⑴ パスワードを推測して友人のインスタグラムに不正ログイン
友人のインスタグラムに不正にログインしたとして、府警は1日、福知山市の無職の女(20)を不正アクセス禁止法違反の疑いで書類送検し、発表した。「SNSをブロックされたので嫌がらせをするため」と認めているという。(中略)2人は友人だった。パスワードは名前と生年月日から推測して割り出していた。
(出典:朝日新聞 2022年12月2日朝刊)
⑵ 偶然盗み見えたIDとパスワードを使って不正ログイン
独立行政法人自動車技術総合機構の職員の男(31)=千葉市中央区=を不正アクセス禁止法違反の疑いで千葉地検に書類送検し、発表した。(中略)国土交通省職員の机の上にあったIDとパスワードを盗み見て、車の使用者を登録したシステムに計4回不正接続し、住所や名前を閲覧した疑いがある。
(出典:朝日新聞 2023年8月19日朝刊)
⑶ オンラインゲームの育成を依頼されて完了した後、無断ログイン
スマホの人気オンラインゲーム「ドラゴンクエストウォーク」に他人のIDとパスワードを使ってログインし、データを自分のアカウントに移動させた疑いがある。(中略)育成はきちんとされたが、男はその後、男性のIDとパスワードを使い、無断でログイン。アイテムなどを自分のアカウントに移動させ、第三者に売ったという。
(出典:朝日新聞 2023年10月27日朝刊)
⑷ 電子マネーサイトに無断ログインしたうえ同電子マネーを用いて店舗で買い物
他人のIDとパスワードを使いJREポイントが利用可能になったバーコード画面をスマートフォンに表示し、江戸川区の店舗で美容液16点(合計約12万8千円相当)をだましとった疑いがある。
(出典:朝日新聞 2023年9月15日朝刊)
⑸ 有名人のSNSアカウントのログイン情報を転売
プロスポーツ選手や美容師計4人のSNSアカウントのIDとパスワードを不正に取得してログインしたうえ、19~22歳の男4人に売却した疑いがある。13万円で売買されたアカウントもあったという。男は公表されている選手らの生年月日などからパスワードを推測したと供述。
(出典:朝日新聞デジタル 2023年5月10日)

当事務所の解決例

20代 男性 他人のアカウントに無断ログインし立件→リモート相談で不起訴へ

解決した依頼者

依頼者の方は、過去にSNSを通じて教えてもらった情報に基づき、第三者が使用するアカウントに無断でログインし、非公開の写真などを勝手に閲覧していました。その後、忘れたころに突然、自宅に警察がやって来て捜索を受けました。「逮捕されるのではないか」とパニックになりましたが、遠方にお住まいだったため、当事務所のオンライン面談を利用して緊急のご依頼をいただきました。

ご依頼後、直ちに担当刑事と連絡を取り、ご本人が反省しており逃亡の恐れがないことを主張。これにより、逮捕されずに在宅のまま捜査が進むことになりました。
並行して、被害者の方との示談交渉を進めました。当初、被害感情は非常に強かったものの、弁護士が誠心誠意謝罪を尽くし、再発防止策を提示したことで、最終的に示談に応じていただき、「宥恕(許す)」という言葉を頂戴することができました。

当初、検察官は「略式起訴(罰金刑)」にする意向を示していましたが、この示談成立を最大の根拠として「前科がつくと将来に重大な不利益があること」を意見書として提出しました。粘り強く交渉を行った結果、検察官の判断を変えることに成功し、最終的に「不起訴処分」となりました。

30代 女性 不正アクセスに加え、IDを第三者に拡散(助長罪)→不起訴

解決した依頼者

SNSの投稿を通じて不正アクセスに興味を持ち、他人のアカウントにログインを繰り返していました。さらに、ネットで知り合った第三者に対し、入手したID・パスワードを教えてしまいました(不正助長)。その第三者がなりすまし投稿を行ったことで事件が発覚し、警察から呼び出しを受けました。「自分が教えた相手も犯罪をしてしまった」という複雑な状況に悩み、当事務所へ相談に来られました。

本件は「不正アクセス禁止法違反」に加え、IDを提供したことによる「不正助長罪」も成立する事案でした。被害者が複数おり、被害感情も強かったため、慎重な対応が求められました。
弁護士は迅速に介入し、それぞれの被害者に対して真摯な謝罪と賠償の意向を伝えました。一部の被害者とは連絡がつかない状況もありましたが、連絡が取れた方とは示談を締結し、被害回復に努めました。

示談が成立した被害者もいること、ご本人が深く反省し二度と行わない環境を整えたこと等を検察官へ訴えました。その結果、事件は検察庁へ送致されましたが、起訴(裁判)は見送られ、「不起訴処分」となりました。

6.不正アクセスに関するよくある質問(Q&A)

Q1. 家族や職場、学校にバレずに解決できますか?
A. 逮捕されなければ、バレずに解決できる可能性は十分にあります。
警察から職場や学校に連絡が行くことは、逮捕時や捜索差押え(家宅捜索)などの強制捜査がない限り、原則としてありません。
Q2. 示談金の相場はどれくらいですか?
A. 被害の内容によって大きく異なりますが、単にログインして覗き見ただけ(実害なし)のケースであれば、20万円〜50万円程度が一般的な相場です。
もちろん、具体的な被害(データの消去や不正購入など)がある場合は、その損害賠償額が加算されます。
Q3. 警察に押収されたパソコンやスマホはいつ返ってきますか?
A. 解析捜査(フォレンジック)が完了するまで返還されないため、数ヶ月〜半年以上かかることが一般的です。
捜査中は「証拠品」として扱われるため、早期の返還を求めるには弁護士を通じて還付請求を行う必要があります。
Q4. 被害者に直接連絡して謝罪してもいいですか?
A. 絶対におやめください。
被害者は恐怖を感じており、加害者からの直接の接触は「口封じのための脅迫」と捉えられる恐れがあります。また、無理に示談を迫ったとして「強要未遂罪」に問われるリスクすらあります。
反省の気持ちを伝えるためにも、必ず弁護士という第三者を介して、安全な方法で接触する必要があります。
Q5. 前科がつくと、会社をクビになりますか?(資格制限など)
A. 一般的な企業では、就業規則に「禁錮以上の刑」を解雇事由としていることが多いですが、不正アクセス罪で罰金刑(略式起訴)となった場合、懲戒解雇まではされないケースもあります。
ただし、医師、看護師、教員などの国家資格職の場合、罰金刑以上で資格の欠格事由に該当し、免許停止や取り消しになるリスクがあります。そのため、何としても「不起訴(前科なし)」を目指す必要があります。

7.逮捕・前科を避けるために今すぐご相談ください

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不正アクセス事件は、ログという客観的な証拠が残っているため、「やっていない」という言い逃れが難しい犯罪です。
しかし、早期に弁護士が介入し、被害者との示談や自首の手続きを行うことで、逮捕を回避し、不起訴(前科なし)で社会復帰できる可能性は十分にあります。

警察から連絡が来た方、あるいはこれから来るかもしれないと不安な方は、手遅れになる前に当事務所の無料相談をご利用ください。

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