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錦糸町の弁護士へ法律相談 | 鈴木淳也総合法律事務所 - 離婚時に借金がある場合の財産分与はどうなるのか?

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離婚時に借金がある場合の財産分与はどうなるのか?

カテゴリ: 財産分与 公開日:2020年06月01日(月)

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画像1 東京都墨田区、錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。

 

 

離婚の際の財産分与で、婚姻期間中に取得した預貯金や自動車といった積極的財産が対象となることは皆さんご存じかと思いますが、残った借金も離婚の際に夫婦で折半するのかという質問を受けることが多々あります。

そこで、財産分与と借金について解説します。

1.借金は財産分与の対象となるのか

民法は夫婦別産制を採用しており、一部を除き夫婦の一方が負担した債務について配偶者が責任を負うことはありません。

 

そこで、従前は、婚姻期間中に発生した借金も離婚する際に夫婦間での清算対象ではないと考えられていました。

 

しかし、近時は、 「債務についても夫婦共同生活の中で生じたものについては、財産分与にあたりその債務発生に対する寄与の程度(受けた利益の程度)に応じてこれを負担させることが出来る」「負担割合は特段の事情がない限り平等」(東京地裁平成11年9月3日判決)とする扱いになっています。

 

ポイントは、婚姻期間中に発生した負債(借金)ということで、婚姻前に既にあった負債(借金)は財産分与の際の考慮対象とならないということです。

2.婚姻期間中のどういった負債(借金)が対象か

 婚姻期間中に作った負債(借金)であれば、何でも他方配偶者が負担すべきなのかというのは一つ問題となります。ギャンブルのための借金も離婚時に半分負担するというのでは、明らかに不合理でしょう。

 

⑴日常家事債務

日常家事というのは、夫婦の共同生活関係から生じる通常の事務や夫婦共同生活に通常必要とされる一切の事項です。

 

例えば、 生活必需品の購入費用、水道光熱費、家賃、未成熟子の養育に要する費用といったものです。

これらの負債が残っている場合には、離婚時の財産分与の際に考慮されることになります。

 

なお、高額な太陽温水器代や70万円を超す高額な学習用教材の代金は日常家事債務ではないという裁判例があります。

 

 

⑵夫婦共同生活のために生じた債務

例えば、 、医療費や生活の不足を補うための借金、子の養育ローン等です。

日常家事債務にあたりませんが、婚姻期間中に夫婦の共同生活で生じた債務であれば、離婚時の財産分与においてその債務額を考慮していいとされています。

 

⑶婚姻後の資産形成に関連して生じた債務

例えば、 夫婦で住むための住宅を購入するためのローン等です。

これも、夫婦が利益を得るために発生した夫妻ですので、離婚時の財産分与の際に考慮していいとなっています。

 

注意すべきは、夫婦共有財産を形成する目的での負債(借金)でなければなりませんので、配偶者に隠れて自分の財産形成だけを目的として投資用マンションを購入でローンを組み後に価格が下がり売却後に負債が残ってしまったというような場合は、清算の対象となりません。

 

以上のとおり、ギャンブルや浪費で婚姻期間中に夫婦の一方が作った借金は離婚時の財産分与に際して何ら考慮されないという結論になります。

3.借金を含む財産分与の方法

では、離婚時の財産分与の際にどうやって負債を考慮するのか。大きく以下の二つの場合に分けて考えます。

⑴財産の総額が債務(借金)総額より多い場合

(積極的財産の総額‐消極財産の総額)÷2

をした金額がそれぞれが分与される財産ということになります。

 

これは、財産の半分を得る、借金は半分を負担するという考えです。

 

例えば、夫名義で時価4000万円の不動産があり、ローンが夫名義で3000万円残っているという事例では、(4000万円‐3000万円)÷2=500万円となり、夫が不動産を得る場合には、500万円を代償金として妻に支払うことになります。

 

ただし、借金の形成について特段の事情がある場合には、負担割合が半分ずつとはならない場合があります。例えば、婚姻中に妻が生活費の補填という名目で借入れをしていたけど、夫の収入からしてそこまでの金額を借りる必要がないといえるような場合には妻の負担割合が半分より大きくなり得ます。

 

 

⑵財産の総額が債務(借金)総額より少ない場合

財産を超す借金部分については、清算のしようがないというのが裁判所の考え方です。

そもそも、債権者に対しては、夫婦間で半分ずつ負担すると言ったところで受け入れてもらえません。あくまでも、積極的財産の分配に際して借金を考慮するというのが基本スタンスとなります。

 

例えば、夫名義で時価3000万円の不動産があり、ローンが夫名義で4000万円残っているという事例では、不動産を売っても1000万円の負債が残るのですが、この1000万のうちの半分である500万円の支払を夫が妻に求めることは出来ないということです。ただし、不動産については時価は3000万ですが、負債の方が多いのですから、財産分与としては価値0として扱うことになり、妻側が受け取る財産は0ということになります。

 

 

4.まとめ

財産分与の際に、婚姻中に作った負債も一定の条件を満たせば財産分与の際に考慮することで清算されることになります。

ただし、どういう理由で作った借金なのかということが重要ですので、離婚時の話合いの中でしっかり説明する必要があるでしょう。

 

当事務所では、離婚問題について積極的に取り扱っています。

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