口座を譲渡してしまったら?逮捕リスク・自首の手順・被害者対応・口座凍結を弁護士が徹底解説

「口座を譲った」「カードと暗証番号を渡した」「ログイン情報を伝えた」「被害者側から請求が届いた」——過去の相談で特に多い4パターンについて、刑事・民事・生活再建の各側面から弁護士が丁寧に解説します。
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東京都墨田区、錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。 |
この記事の目次
目次
1.最初にやること
- 渡したものを正確に列挙:通帳/キャッシュカード/暗証番号/ログインID・PW/ワンタイムコードなど
- 相手とのやり取りを保存:SNS・DM・メール・送付控え・入出金履歴のスクリーンショット
- 弁護士に連絡し、自首 → 金融機関 → 被害者対応の順序を確認(独断で動かない)
2.よくある相談4パターンと初動方針
- 口座・カードを譲渡してしまった: 犯罪収益移転防止法違反の可能性あり。
- 逮捕されないか不安: 新規開設が絡めば詐欺罪リスク。供述整理を弁護士と。
- 自首したい: 弁護士同行で警察署へ。身元引受・反省文・弁済計画を一体で提示。
- 被害者側弁護士から請求書が届いた: 刑事と民事の整合を保ちつつ示談を検討。
3.犯罪収益移転防止法違反:どこから“アウト”になるのか

- 通帳・カードを譲り受ける/譲り渡す
- 正当理由なく有償で通帳・カードをやり取りする
法定刑: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
「口座売買(買取)」も同罪です
SNSや掲示板で「口座買い取ります」「使っていない口座を高値で買います」といった勧誘に応じ、対価を受け取って口座を渡してしまうケース(いわゆる口座売買)も、この法律で厳しく処罰されます。「売っただけ」という認識でも、警察から見れば犯罪インフラを提供した共犯者となり得ます。
4.口座凍結の仕組みと生活への影響
特殊詐欺等に使われると、警察・弁護士経由で金融機関に口座凍結要請が行われます。
- 給与口座は事情説明で凍結回避の余地あり
- 巻き込まれて一時利用停止になることも
- 生活に必要な口座は弁護士交渉で解除の可能性
他の銀行口座への「連鎖凍結」リスクについて
警察から金融機関への凍結要請は、全銀協(全国銀行協会)のデータベースを通じて他の金融機関にも情報共有される仕組みになっています。そのため、事件に使われた口座が凍結されると、その情報をもとに、あなたが保有している「全く無関係の他の銀行口座」まで利用停止(連鎖凍結)になってしまうリスクがあります。
ただし、給与振込や公共料金の引き落としなど、明らかに日常生活に利用している口座については、無差別に凍結されるわけではありません。もし凍結の予兆があったり、不安な場合は、弁護士を通じて金融機関へ事情を説明し、生活に必要な口座を守るための活動を行うことが重要です。
5.譲渡目的の新規口座開設は詐欺罪(刑法246条1項)
【典型的な流れ】
- 「副業」や「融資」名目で口座開設を勧められる
- 目的を偽って申請 → 開設後にカード送付
- これらはすべて詐欺の要件を満たす
【逮捕され報道された例】
「詐欺の疑いで逮捕されたのは、容疑者です。 容疑者は去年11月、東京都内にある金融機関のインターネットサービスで、第三者に譲渡することを隠して、容疑者名義で普通預金口座を開設した詐欺の疑いがもたれています。 警察によりますと、インターネットバンキングに関する別の事件の捜査中に、容疑者名義の口座への不正な送金が確認されたことで事件が発覚したということです。 警察は容疑者の開設した口座が、不正送金の受け皿に使われていたとみています。」(2025.11.18ABCニュースより引用 実名は削除)<近年急増する「闇バイト」や「SNS副業」の罠>
近年、「荷受代行」「資金移動」「高額即日バイト」といった名目の闇バイト(裏バイト)に応募した結果、犯行グループから「給与振込のためにキャッシュカードを送ってほしい」「身分証代わりになる」などと騙され、知らぬ間に口座を詐取されるケースが急増しています。
「自分も騙された被害者だ」と思われるかもしれませんが、客観的に見て「不審な取引」に応じて口座を渡してしまった場合、捜査機関からは「未必の故意(犯罪に使われるかもしれないと認識していた)」があったとみなされ、詐欺罪の共犯や幇助犯として逮捕されるリスクがあります。
「怪しい」と思ったら指示に従うのをやめ、直ちに弁護士へご相談ください。
6.被害者側弁護士から請求が届いたら
- 支払期限・請求根拠・金額内訳を確認
- 刑事手続と整合を取りつつ示談を検討
- 反省文・謝罪文・資力資料を準備
7.自首の手順とメリット
- 証拠保全(DM・送付控え・入出金履歴)
- 弁護士相談(優先順位・供述整理)
- 弁護士同行で出頭
- 被害回復(返金・示談・生活再建計画)
8.よくある質問(Q&A)
証拠保全: 渡した口座が利用されないよう停止させる。相手とのやり取り(LINE、DM、メール)や送付の控え等を消さずに保存・スクショする。
弁護士相談: 自身の行為がどの罪に当たるか、自首すべきかの方針を決める。
自首・対応: 必要であれば弁護士同行のもと警察へ行き、同時に金融機関や被害者への対応を進める。 ※独断で警察に行くと、不利な供述調書を取られるリスクがあるため注意が必要です。
9.当事務所の解決例
- 20代女性:カード送付 → 自首同行・不起訴
- 20代男性:融資名目 → 被害回復・不起訴
- 30代女性:複数口座開設 → 弁済・不起訴


