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【口座譲渡は犯罪収益移転防止法の違反】不起訴となるのか - 墨田区の錦糸町駅から徒歩2分 | 鈴木淳也総合法律事務所

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【口座譲渡は犯罪収益移転防止法の違反】不起訴となるのか

カテゴリ: 犯罪・刑事事件 作成日:2020年06月01日(月)

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東京都墨田区の錦糸町で弁護士をしている鈴木淳也です。

 

他人に騙されて預金口座やキャッシュカードを譲渡・売却してしまって、その口座が犯罪に利用されてしまい、預金口座が凍結されてしまった、という方からの相談、依頼を受けることがあります。

 

他人に口座を譲渡する行為は、犯罪となることがありますが、

どのような場合に犯罪となるのか、以下で解説します。

 

目次

第1 犯罪収益移転防止法違反

 1 犯罪となる場合

 2 裁判例

 3 早めの自首を検討すべき

第2 口座が凍結される

第3 金融機関に対する詐欺罪

第4 まとめ

第5 解決例

第1.犯罪収益移転防止法違反

既に開設されている口座を他人に譲渡・売却等する場合はどうなるのか。

以下のとおり、犯罪収益移転防止法に違反することになります。

 

1 犯罪となる場合

⑴ 他人になりすまして口座を利用する目的で通帳・キャッシュカード等を譲り受ける行為(犯罪収益移転防止法28条1項前段)

 

⑵ ⑴の目的を知りながら、通帳・キャッシュカード等を譲り渡す行為(犯罪収益移転防止法28条2項前段)

 

 ①通常の商取引又は金融取引として行われるものでなく、②その他の正当な理由もなく、③有償で通帳・キャッシュカード等を譲り受け、または譲り渡す行為(犯罪収益移転防止法28条2項後段)

 

以上は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金となります。

 

特に、⑶は、口座譲渡とはいえ騙された被害者といえるようなケースであっても成立することになりますので、注意が必要です。

 

2 裁判例

以下は、一見して騙されたと思われるような口座譲渡のケースの事案で、犯罪収益移転防止法違反が認められると判断された裁判例です。

(東京高等裁判所平成26年6月20日判決)

 

〇事案

氏名不詳者に対し,後日融資を受ける約束で,自己名義の通常貯金口座のキャッシュカード1枚及びその暗証番号を書いたメモ紙1枚を送付し,これらを同氏名不詳者に到達させてキャッシュカードを交付するとともに,暗証番号を提供した。

 

〇裁判所の判断

① 通常の商取引又は金融取引にあたるか

貸金債務の返済又は担保のためにキャッシュカードを交付することについては,キャッシュカードを他人に貸与することが一般に取引規定(約款)等で禁じられていることに照らし,それが「通常の商取引又は金融取引として行われるもの」に該当しないことは明らかである。

 

② その他の正当な理由があるか

被告人はAとは電子メールで勧誘を受けて電話で話をしただけであり,Aが本名かどうか,どこかの組織や事務所に属しているのかも分かっていなかった。融資について契約書等を交わしておらず,貸主が誰かも不明であったし,カードの送付先は実際には私書箱であった。そうすると,被告人は,Aが本件キャッシュカードを悪用しないだろうと信頼できる状況にはなく…正当な理由がある場合には該当しないというべきである。

 

③ 有償取引か

本件キャッシュカードを交付することは、…30万円を借り受けるための条件になっていたと認められる。そうすると,被告人は,融資を受けるという対価を得る約束で本件キャッシュカードを交付したといえるから…有償性を肯定できる。

 

 〇結論

犯罪収益移転防止法違反となる

 

 

3 早めの自首を検討

このように、一見すると口座をだまし取られた被害者と思われるケースであっても、安易に譲渡してしまったことで犯罪収益移転防止法違反となってしまうのです。

 

後述のとおり、譲渡した口座は、犯罪に利用されることとなりますので、譲渡した方は遅かれ早かれ警察に譲渡した事実が発覚することになります。

 

そうすると、 捜査・処罰の対象となりますので、弁護士に相談し自首を早急に行うことが望ましいです。

不起訴となる可能性があります。早めに弁護士にご依頼されることをお勧めします。

第2 口座が凍結される

譲渡した口座は、特殊詐欺や闇金に利用されることになります。

 

そのような場合、被害者がどの口座にお金を振り込んだのか、警察に被害を申し出て警察経由で、または弁護士に依頼し弁護士経由で口座凍結要請がなされ、口座が凍結されることになります。

 

 

これらの口座は、リスト化され、全国銀行協会を通じて各銀行に共有されることになるため、同一名義での口座も凍結される可能性があり、新規での口座開設も困難となる可能性があります。

 

預金口座が持てないというのは、社会生活を送るうえで大きなダメージです。

 

第3.金融機関に対する詐欺罪

銀行で預金口座を開設する場合、銀行員からどういう目的で利用するのかなど細かく聞かれることが多いです。

 

他人に譲渡する目的であることを金融機関に伝え場合、口座開設を断られます。

前述のとおり、特殊詐欺で銀行口座が利用されることが多いため、犯罪に利用されないように、銀行は預金口座の開設段階から厳しくチェックしているのです。

 

そのため、 銀行で預金口座開設する際、他人に口座を売却したり使用させることを決めており、それを隠して口座開設申し込みをして預金通帳を受け取ると詐欺罪(刑法246条1項)が成立します。以下のとおり、最高裁判例もあります。

 

銀行支店の行員に対し預金口座の開設等を申し込むこと自体,申し込んだ本人がこれを自分自身で利用する意思であることを表しているというべきであるから,預金通帳及びキャッシュカードを第三者に譲渡する意図であるのにこれを秘して上記申込みを行う行為は,詐欺罪にいう人を欺く行為にほかならず,これにより預金通帳及びキャッシュカードの交付を受けた行為が刑法246条1項の詐欺罪を構成することは明らかである(最高裁判所平成19年7月17日決定)

 

第4 まとめ

以上のとおり、他人に通帳やキャッシュカード等を譲渡・売却してしまうと犯罪収益移転防止法違反となる可能性があります。また、譲渡した口座等は特殊詐欺や闇金といった犯罪に利用されることとなります。

 

早めに警察に出頭し、事実を全て申告して特殊詐欺や闇金の捜査に協力することで、不起訴となる可能性はあります。

 

弁護士にご相談ください。

 

当事務所では、刑事弁護に関しまして、積極的に取り扱っております。

初回相談料は無料ですので、ぜひお問い合わせください。

 

第5.解決例

20代 女性  副業という話に便乗して通帳、キャッシュカードを譲渡。自首をして不起訴を獲得

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SNSで副業をさがしていたところ、月100万円以上稼げるという投稿を目にして連絡をとった。トレーダーと一緒に取引すれば高額な利益を上げられる、投資資金はこちらで用意するので利益を管理する口座を貸して欲しいと言われ、通帳、キャッシュカードを指定された方法で送り、暗証番号を伝えた。その後、連絡は途絶え、金融機関から口座凍結の連額が来て、口座が犯罪に利用されたことを認識し、当事務所の相談に来られた。

犯罪収益移転防止法にあたる行為であるため、早急に警察への自首に同行した。家族に知られたくないということで、弁護士が身元引受人となった。その後、依頼人は警察の捜査に協力したが、検察庁へ事件が送致された。弁護活動の結果、不起訴で終結。

鈴木 淳也弁護士からのコメント

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依頼者の方は、被害者という認識で当事務所にいらっしゃいました。たしかに、だまし取られたといえますが、譲渡した口座が実際に犯罪に利用されていますし、口座を他人に譲渡することが禁止されていること、本件が犯罪に該当することをお伝えしたところ、早めに対処したいということでしたので、警察への自首の同行、その後の刑事弁護を担当し、不起訴で終わることが出来ました。

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