飲食店にお勤めの方の残業代請求
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東京都墨田区、錦糸町駅近くにて労働トラブルを扱っている鈴木淳也総合法律事務所です。 |
飲食店にお勤めの方の残業代請求について解説します。
飲食店にお勤めの方の残業の傾向
☑ 職場の人出が絶対的に足りておらず残業するのが当然という風潮
☑ 制服に着替えた後にタイムカードを切ることになっている
☑ 定時前に来て清掃や仕込みを行なっている
☑ 定時過ぎに後片付け、清掃を行っている
☑ 固定の手当てが支給されているため、残業代がない
☑ 店長を任されてからいくら働いても残業代が支給されなくなった
これらに当てはまる場合は、残業代を請求できる可能性があります。
店の営業時間外の作業も労働時間
飲食店では、開店前の清掃、仕込みといった準備、閉店後の調理器具の洗浄、会計処理、片付け等、営業時間外の業務がたくさんあります。
これらが労働時間としてカウントされていない傾向にあります。
労働時間とは、明示又は黙示により使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいいます。
したがって、営業時間外であっても清掃、仕込み、片付け等を行わなければならない状況なのであれば、使用者の指揮命令下に置かれているといえますので、労働時間として扱われ、残業代を請求することが可能となります。
固定の残業手当が支給されていても残業代を請求しうる
毎月決まった手当を支給する代わりに残業代の支払を行わない会社があります。
〇時間分の残業代として〇円を〇〇手当として支給する旨が明らかになっている場合は、〇〇手当は固定残業手当として扱われます。
しかし、その〇時間を超す残業がされている場合には、手当だけでは賄えませんので不足分を別途残業代として請求することが可能です。
また、そもそも手当の趣旨が明確ではない場合は、固定残業代として扱うことは出来ませんので、全残業時間分について残業代の請求が可能となります。
固定の手当てが支給されているからといって残業代が一切発生しないというわけではありません。残業代を請求できる可能性があることを覚えておきましょう。
店長は管理職であっても残業代請求が可能
店長という肩書が付くと、管理職であるということで残業代を支給しなくていいと考える経営者がいます。
「管理監督者」に当たる場合は、深夜手当を除き、残業代を支払う必要がないからです。
労働基準法が定めるルール
労働時間:1日8時間、週40時間以内
割増賃金:法定労働時間を超えて、または法定休日に労働させた場合割
増賃金が発生する
休憩:1日のうちで6時間を超える労働→45分以上
1日のうちで8時間を超える労働→60分以上
休日:1週間のうち少なくとも1日の法定休日
管理監督者には①労働時間②休憩③休日に関する上記ルールを適用しないということです。
つまり、管理監督者が残業や休日出勤をしても時間外手当はつかないということです。
ただし、管理職=管理監督者ではありません
管理監督者といえるためには、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者であり、職務内容、責任と権限、勤務態様によって判断されます。
店長が店舗の責任者としてアルバイト等の採用をしたり、シフトを作成していても、権限が自分の店舗に限られ、出退勤の時間が事実上決められている場合は管理監督者ではありません。
したがって、店長であっても残業代の請求が可能となります。
まとめ
・飲食店での営業時間外の作業も労働時間とカウントされる
・固定残業代が支給されていても、想定を上回る残業時間については残業代請求が可能
・店長というだけで残業代を請求できなくなるわけではない
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