運送業・配送業にお勤めの方の残業代請求
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東京都墨田区、錦糸町駅近くにて労働トラブルを扱っている鈴木淳也総合法律事務所です。 |
運送業・配送業の会社にお勤めの方が残業代請求する際の注意点について解説します。
目次
運送業・配送業の職場での残業の傾向
☑ 歩合制だから残業代が発生しないと職場で言われている
☑ 毎月固定の手当が支給されているので、残業代は支払われていると職場で言われている。
☑ 運転していない荷待ち時間を休憩時間として扱われている
これらに当てはまる場合は、残業代を請求できる可能性があります。
運送業・配送業の業務の特徴
①交通渋滞の状況によって仕事を終える時間が変わってくる
②荷待ち時間によって仕事を終える時間が変わっていまう
③夜間運転する機会があり、深夜割増が関係する
⑴渋滞中の待ち時間は労働時間か
使用者の指揮命令の下にあり自由に行動出来ない時間は労働時間となります。
渋滞中の時間で使用者の指揮命令下から離脱して自由に行動をとれるわけではありません。運転席で運転を続けているわけです。
したがって、労働時間となります。
⑵荷待ちの時間は労働時間か
荷待ちしている間も使用者の指揮命令下から離脱できるわけではありません。
したがって、労働時間となります。
歩合給制を理由に残業代を拒否できるのか
歩合制、すなわち出来高制を採用していることを理由に会社が残業代の支払を拒むことがあります。
歩合給制であっても、残業代は発生します。ただ、歩合給が付いていると、計算が通常と異なります。
残業代と通常の賃金の部分が明確に区別されていて、それが労働者に周知されている必要があります。そうでなければ、この主張は認められません。
毎月決まった残業手当が支給されている
毎月決まった手当を支給する代わりに残業代の支払を行わない会社があります。
〇時間分の残業代として〇円を〇〇手当として支給する旨が明らかになっている場合は、〇〇手当は固定残業手当として扱われます。
しかし、その〇時間を超す残業がされている場合には、手当だけでは賄えませんので不足分を別途残業代として請求することが可能です。
また、そもそも手当の趣旨が明確ではない場合は、固定残業代として扱うことは出来ませんので、全残業時間分について残業代の請求が可能となります。
固定の手当てが支給されているからといって残業代が一切発生しないというわけではありません。残業代を請求できる可能性があることを覚えておきましょう。
みなし労働時間制の適用について
みなし労働時間制とは、言葉のとおり、実際の労働時間の把握が難しい場合に、一定の労働時間働いたとみなす制度です。
みなし労働時間制を主張し、残業代の支払を拒む会社があります。
しかし、運送・配送業の場合は、みなし労働制は適用されないと考えられています。
したがって、会社はみなし労働時間制を根拠に残業代の支払を拒むことは出来ませんので、未払いの残業代について請求することが可能です。
まとめ
・渋滞中の時間も労働時間にあたる
・荷待ち中の時間も労働時間にあたる
・歩合制であっても残業代の請求は可能
・運送業、配送業にみなし労働時間制は適用されない
・固定残業代が支給されていても、想定を上回る残業時間については残業代請求が可能
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