【交通事故】個人事業主の休業損害計算方法と必要書類
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東京都墨田区の錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。 |
交通事故被害に遭われた後、治療中に発生する休業損害(個人事業主)について説明します。
1.休業損害
休業損害というのは、交通事故によって怪我をしたことで働けなかったことで収入が減収することによる損害です。交通事故の発生から症状固定時まで減収分が対象です。
給与所得者が有給休暇を使った場合でも休業損害を請求することが出来ます。また、自営業者、専業主婦の方でも休業損害を請求できます。
2.個人事業主の場合の計算方法
自営業の方が休業損害を求める場合ですが、基本的には、得られたはずの売上額からこれを得るために必要したはずの原価と経費を差引いたものです。
ただ、経費のうち固定費といわれる休業するにしても支出を免れないもの(家賃、従業員給料等)は、売上額から差し引きません。
基礎収入=事故発生前年の所得税の確定申告書に記載された所得額(被害者の所得の変動が大きい場合には、事故発生前数年間の申告所得から平均的な金額)÷365日
例:確定申告は青色申告をしており、前年度売上金額は1000万、売上原価200万、経費100万円であり、事故による休業日数は20日。固定費は50万円。
確定申告書上の前年度所得額=1000万ー200万ー100万ー65万円=635万
ただし、青色申告特別控除の65万円は税制上の特典なので、実際の所得は65万円多いということです。固定費も加算するとなると、
よって、700万円が所得金額とになります。
基礎収入=(700万円+50万円)÷365日=2万547円となります
個人事業主の方は、確定申告書の数値を用いることになります。確定申告書の写しで基礎収入額を証明できませんので、それに代わるものとして預金通帳等の入金状況で売上額や経費を明らかにしていき基礎収入を導くことになります。
3 休業日数
会社員であれば休業損害証明書という書類があるのでいいのですが、自営業者の場合は休業日数を証明する手段が乏しいという問題があります。
入院期間については、休業日数と扱われることになるので問題ありません。
一方、通院期間については、どこまでを休業と判断するのが難しいところがあります。なるべく、医師が就労が難しいと判断している場合には、その旨を記載した診断書をもらうなどの対応が必要です。それと合わせて、通院、治療状況、怪我の状況などから休業日数を判断していくことになります。
個人事業主の方が休業損害を請求するための必要書類としては、前年度の確定申告書と休業日数を証明するための診断書ということになります。
4.まとめ
以上のとおり、自営業者の方が交通事故被害に遭われた場合であっても休業損害を請求していくことが可能です。ただし、自営業者の方の場合は、計算方法が複雑ですので、弁護士に依頼し交渉を任せるのがよろしいかと思います。
当事務所では交通事故被害の案件を積極的に取り扱っており、初回は無料相談を承っています。
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