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錦糸町の弁護士へ法律相談 | 鈴木淳也総合法律事務所 - 離婚による財産分与で家はどうなる?ローンの有無がポイント

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離婚による財産分与で家はどうなる?ローンの有無がポイント

カテゴリ: 離婚 公開日:2021年05月08日(土)

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錦糸町の離婚弁護士 東京都墨田区、錦糸町駅そばの鈴木淳也総合法律事務所です。

 

 

離婚をするに際して、家がある場合、どのように財産分与をするのかご質問いただくことが多くあります。

 

財産分与で家をどう分けるのか、家のローンがある場合はどうなるのか、家の評価の方法や評価の基準時、頭金を夫婦の一方が捻出した場合はどのように考慮するのかといった点について解説します。

 

 

1. 財産分与とは

財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することをいいます。

⑴ 基本ルール

 離婚時の財産の分け方の基本ルールは、婚姻後に夫婦の取得した財産が対象となり、それを半分ずつに分けることになります。

 

財産の名義が夫婦の一方であっても関係ありません。例えば、婚姻後に家を購入して、夫の名義でローンを毎月支払っていて、家の名義も夫になっている場合であっても、その家は財産分与の対象となります。

 

⑵ 例外ルール(特有財産)

 基本的には財産を半分ずつわけることになるのですが、例外もあります。特有部分という考え方です。家に関しては、購入する際の頭金を夫婦の共有財産(婚姻後に築いた預金等)以外のところから捻出した場合に問題となります。例えば、頭金を夫婦の一方の親からの援助、遺産、結婚前に貯めていた預金から捻出した場合です。頭金に関する部分を特有部分として除外して、残りの部分が夫婦共有財産として財産分与の対象となり半分ずつに分けることになります。

 

⑶ 対象となる財産を確定する基準時

 財産分与というのは、夫婦が協力して築き上げた財産を分けるものですので、夫婦の協力関係がなくなった時、すなわち、別居開始時を基準としてその時の財産が対象となります。

 別居開始後、離婚前に家の名義人が家を売却してしまったとしても、家は財産分与の対象財産ですので、家の売却で手元に残った金銭が財産分与の対象となります。

2. 家の評価額はどのように決まるか

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⑴ 家の評価額を算出する方法は複数

① 固定資産税評価額

固定資産評価額とは、固定資産税を決める際の基準となる評価額です。固定資産評価基準に基づき、各市町村が個別に決めていきます。一般的に、土地であれば時価の7割程の価額が固定資産税評価額となるといわれています。

毎年送られてくる固定資産税通知書に記載されていますので、固定資産税評価額については簡単に確認することが可能です。

② 路線価

路線価とは、相続、遺贈、贈与などで取得した財産に課税される相続税や贈与税を計算する際に用いられ評価額のことです。こちらで調べることが可能です。路線価というのは、土地の評価額でして、建物に関するものはありません。一般的に、路線価は、時価の8割程度の価額と言われています。

③ 時価

時価とは、不動産の市場価格のことをいいます。財産分与における家の評価額は、山林等のように市場価値がないものを除き、こちらを利用することになります。

 

⑵ 時価の算定方法

複数の不動産業者から査定をとり、全査定額の中間的な金額を基準に財産分与をするのが一般的です。不動産鑑定士による不動産鑑定がより正確な金額といえますが、鑑定費用が高額となるため、評価の難しい物件でない限り、離婚の財産分与の機会で使われることはありません。

 

⑶ 家の評価の基準時

時価とはいつの時点で価格のことか?不動産価格というのは、夫婦がどれだけ協力したかどうかとは関係ないところで変動します。地価が上昇したか下落したかなんて夫婦の協力と全く無関係であることからも明らかですよね。

したがって、財産分与の際の家の評価額の基準時は、離婚時ということになります。すなわち、離婚時の時価を基準とします。ただし、後述するとおり、住宅ローンが残っている場合、住宅ローンの残額は別居時を基準とすることに注意しましょう。

 

3. 家ローンの残額はいくらか

多くの方が家のローンを組んで購入されます。30年を超す支払期間でローンを組むことが一般的であるため、家のローンが残っている途中で離婚するといったケースは多々あります。

家のローンが残っている状態で離婚する場合の財産分与では、家の評価額と家の残ローンの金額の大小がポイントとなります。

 

⑴ アンダーローンの場合

評価額の方が高ければ、家に関して分けるものがあるということです。評価額から残ローン等を控除した金額を清算対象価額として、財産分与することになります。

 

⑵ オーバーローンの場合

一方で、家の残ローンの方が高ければ、家を売却したところで手元にお金は残らないため、分けるものはありません。 要は、家は価値のない財産ということになります。

この場合、ローンの名義人はローンの支払い義務は無くなりません。ただし、預貯金やその他の資産を財産分与する際に、マイナス財産である負債は考慮されますので、結果的に預貯金等を配偶者に渡す金額が少なる可能性はあります。

 

4. 家がある場合の財産分与

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家をどのようにしたいのかがまず重要です。処分方法によって以下のとおり財産分与の方法が変わってきます。

⑴ 家を売却する

これは一番シンプルな方法です。売却して残ローンや手数料を控除した金額が残れば財産分与の対象として分けることになります。

⑵ 名義人がそのまま住む

名義人がそのまま住むというケースでは、住宅ローンが残っている場合、そのローンも負担し続けることになります。そして、名義人でない配偶者は、家の評価額から残ローン等を控除した金額がプラスであれば、そのプラスの金額の半分を代償金という形で名義人から受け取ることになります。

⑶ 名義人ではない配偶者が住む

この場合は、複雑になってきます。

① 住宅ローンがある場合

家の名義変更はローン債権者から同意を得られない限り、残ローンを一括弁済する必要があります。一括弁済の金額を別の金融機関等でローンを組めないのであれば名義変更は諦めるほかありません。

新規にローンを組んで名義変更が可能となった場合、家の評価額から残ローン等を控除した残額がプラスである場合、その金額の半分を代償金として家を取得しない配偶者へ支払うことになります。

 

② 住宅ローンがない場合

名義を変えることは簡単にできますが、家の評価額の半分の金額を代償金として名義人から請求される可能性があります。

 

5. 家を購入した際の頭金はどこから出たか

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1⑵にも記述しましたが、家を購入した際の頭金が夫婦共有財産以外の所から支出されている場合、その部分は財産分の対象から除かれます。どのように計算するのか、具体例を挙げて説明します。

⑴ 事例

夫婦は、婚姻してから2年後に4500万円の不動産を購入した。その際に、夫は、頭金500万円を1年前に相続した親の遺産から捻出した。不動産の名義は、夫の単独名義で、ローンも夫名義で組んだ。その15年後に夫婦は離婚することとなった。家の残ローンは2500万円、不動産の評価額は4000万円である。家に関して、離婚後も夫がそのまま取得する。夫が妻に支払う家の代償金はいくらか。

 

⑵  計算方法

① 不動産の評価について

この不動産の評価額は4000万円で、家の残ローンが2500万円ですので、売却すると単純計算では1500万円が手元に残るので、1500万円が清算対象価額となります(諸費用は考慮していません)。

② 特有部分の計算方法

頭金を夫が捻出していて、かつそれは夫が相続した財産から支出しており夫婦共有財産からの支出ではありません。ですから、この部分が特有財産となります。

ただし、清算対象価額の1500万円から500万円が特有分として控除できるわけでは、ありません。

家に関して、夫の特有部分割合を算出するのですが、これは、購入金額に対する頭金の割合から算出します。

 

 本件では、500万円÷4500万円=0.111≒11.1%

つまり、清算対象価額の1500万円の11.1%が夫の特有部分であり、のこり88.9%が夫婦共有財産として財産分与の対象になるということです。

     

 本件では、1500万円の11.1%である165万円が夫の特有部分です。残り1335万円が財産分与の対象となり、夫は、この半額である667万5000円を代償金として妻に対して支払うことになります。

 

6. 財産分与でもめたら当事務所にご依頼ください

当事務所では離婚問題を積極的に取り扱っています。

初回の相談料は無料です。

 

電話面談も実施しておりますので、遠方の方からもご相談、ご依頼いただいております。

ご相談は事前予約制です。問い合わせフォームからお問い合わせいただき予約をお取りください。

 

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